The Indifference Engine

The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)

The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)


内容(「BOOK」データベースより)
ぼくは、ぼく自身の戦争をどう終わらせたらいいのだろう―戦争が残した傷跡から回復できないアフリカの少年兵の姿を生々しく描き出した表題作をはじめ、盟友である芥川賞作家・円城塔が書き継ぐことを公表した『屍者の帝国』の冒頭部分、影響を受けた小島秀夫監督にオマージュを捧げた2短篇、そして漫画や、円城塔と合作した「解説」にいたるまで、ゼロ年代最高の作家が短い活動期間に遺したフィクションを集成。

表題作、少年兵の話。面白い、といっては、ちょっと語弊があるかな。伊藤さんの文章では語り口が澄んでいて穏やかにみえるなあ、戦争が常態になっていて、暴力を希求している子供という痛々しさは、本人がその状態を疑問と思っていないから感じないし。おかげで読んでいて心痛を覚えずに済んでいるのだから、別にいいけどね。個人的に、人のマイナスの感情を前面に出したような文章は読んでいて辛いし、自分の読んでいて辛いと言う感情が気になって、読んでいても、ちゃんと一文一文読んでいるのに、ストーリーや細かい部分を読み取れないことが多々あるので。
「女王陛下の所有物」「From the Nothing, With Love
007を元にしたSF。
「フォックスの葬送」
メタルギア、スネークというキャラの名前と外見しか(スネークのパーソナルデータは知らない)知らないから。
父だったり、ジャックと言う人のどっちかがスネークだと思って、誰がスネークなんだろ?と疑問に思いながら読んでいたが、スネークは最後に名前しか出てこんのかい(笑)
「セカイ、蛮族、ぼく」
笑った。
「死者の帝国」
死者をロボットとして使役する世界の話。冒頭部だけしかないが、解説に歴史改変、群像劇の要素があると書いてあるので、面白そうで、読む気がそそられるような作品。円塔さんが書き継いでいるというので、それを読むのは楽しみ。ただ、その書き告いだ作品に、円塔さんの難解さが多量に含まれていないかと言う懸念がちょっとあるけど。