竜馬がゆく 1

新装版 竜馬がゆく (1) (文春文庫)

新装版 竜馬がゆく (1) (文春文庫)


内容(「BOOK」データベースより)
薩長連合、大政奉還、あれァ、ぜんぶ竜馬一人がやったことさ」と、勝海舟はいった。坂本竜馬は幕末維新史上の奇蹟といわれる。かれは土佐の郷士の次男坊にすぎず、しかも浪人の身でありながらこの大動乱期に卓抜した仕事をなしえた。竜馬の劇的な生涯を中心に、同じ時代をひたむきに生きた若者たちを描く長篇小説。

今まで読んだ司馬さんの幕末の小説で一番フィクション分が高く、かなり時代小説風な感じ(知識なくてももろ創作だとわかる部分が幾つもある)。
『十二、三になっても、はなじるが垂れっぱなしだった。』(P10)「風雲児たち」の絵はそういう理由だったか、いや、あっちでも説明されていて忘れていただけかもしれないけど。
色んな人が、竜馬を見て、まだ何ものでもない彼の将来について予言のようなことを言ったり、褒めたり、見込んだりというのは、特別さを際立たせるエピソードを何回も繰り返されるとさすがに飽きる。それに、平安とかそのくらいの時代なら、歴史小説でそういうことが出てくるのもまだ耐えられる(そのくらいの時代でも、ページの嵩増しか?とは感じるけどw)けど、幕末くらいの時代でそうしたエピソードが幾つも出てくるのは、さすがにお話臭さが強すぎて、ちょっとなあ。
剣豪小説と言うか、そんな感じの斬り合いのエピソードが多いな。峰で骨を砕くなど、わざわざ峰で攻撃するほど余裕なのとかを見ると余計に相感じるwあと、桂との斬り合いとかね。「竜馬がゆく」の巻数が多いのは、こうした創作したエピソードが多いからなのかな?
桂が自分の藩の殿に建白することに「罪をうけることを覚悟していた」とあるのは、長州の風通りの良さは、「世に棲む日日」「花神」で読んだから、ちょっと疑問符。まだ幕末の初期だからそういう感じなのか、それとも(竜馬がゆくは司馬さんの初期の作品のようなので)当時の司馬さんの所見ではこうだったのか、どっちだろ?
岩崎弥太郎、強烈なキャラだw
左馬之助、なんか竜馬を暗殺するのコイツじゃ?って思ってきたんだが。今のところそれ以外に出す意味を考え付かんしな。
風雲児たち」の竜馬の剣の大会のエピソードは、土佐侯の諸流試合と道場主催の試合を混ぜていたのか。