革命のライオン 小説フランス革命 1

内容(「BOOK」データベースより)
1789年。フランス王国は破産の危機に瀕していた。大凶作による飢えと物価高騰で、苦しむ民衆の怒りは爆発寸前。財政立て直しのため、国王ルイ16世は170余年ぶりに全国三部会を召集する。貴族でありながら民衆から絶大な支持を得たミラボーは、平民代表として議会に乗り込むが、想像もしない難題が待ち受けていた―。男たちの理想が、野望が、歴史を変える!一大巨編、ここに開幕。

佐藤賢一さんの小説を読むのははじめてだが、最初からはいりやすいし、思ったよりもずっと読みやすいな。フランス革命について、一度物語として読んでおかなければ、と前から思っていたのだがようやく、フランス革命についての小説を読むことができた。
ミラボー、初登場シーンで自分の外観について視られることを意識していることで、変わった人物だと言うことがわかるな。ただ、事件を起こして、父が守れたのに守らなかった(自身が逮捕の許可を与えようとしなければ、逮捕させないこともできた)と言うことに対して、怒っているが、そもそも自業自得という感じがする。ある種、貴族なんだからその特権を(いくら嫌いでも)息子を守るために使ってもいいじゃないか、という感じがして、どうもなあ。
『全国三部会召集された、国王は我々の味方だと、そうした受け止め方で、人びとは興奮の度を高めていた。』(P75)召集時では尊王で、まだこのあとの変革ののちに、国王処刑が待っていようとは予想できない。どう民の感情が変わって、国王を処刑することになるのか楽しみだ。いや、処刑が楽しみと言うわけでなく、民の心の変容がどういう風に描かれるのかって言うことね。
『全国三部会新聞』の主筆、誰かと思ったら、ミラボーあんたか(笑)