竜馬がゆく 6

新装版 竜馬がゆく (6) (文春文庫)

新装版 竜馬がゆく (6) (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
幕府を倒すには薩摩と長州が力を合せれば可能であろう。しかし互いに憎悪しあっているこの両藩が手を組むとは誰も考えなかった。奇蹟を、一人の浪人が現出した。竜馬の決死の奔走によって、慶応二年一月、幕府の厳重な監視下にある京で、密かに薩長の軍事同盟は成った。維新への道はこの時、大きく未来に開かれたのである。


『薩摩領内には、むろん浪人という扶持離れの武士はいない。在来、江戸とか大坂とか、そういう都会でこそ浪人は暮らせるし、住みつきもし、珍しくもない。』(P65)浪人、都会特有の階層というか人種だということは説明されれば納得だが、今までそんなこと機にしたことがなかったので初耳(と文章で知るときもいうのだろうか?)だ。
竜馬と中岡、薩長連合を同時期に思いつく。違う立場にいる二人の高名な志士が同じ着想を得たというのは、時期が来た、と考えてもいいのかな、と思っちゃったりもするな。それは後々の歴史でターニングポイントになったから感じちゃうだけかもしれないが、でも、その始まりの二人が偶然となるとすごく運命的だと思ってしまうね、どうしても。

西郷が来なくて、桂が怒るシーン。大河は1回丸々見た回はないけど、このシーン(と火災業を待っている間)のときはたまたま見てすごく印象に残っているなあ。

おりょう、気が強いとかそんな風に評するよりも大分ずれているって感じがすごおくするなあ。

竜馬たち、なんか長崎時代に遊んでいるイメージ強かった(というかこれもチラ見した大河でそういうシーンが写っているところをたまたまみたからという根拠希薄な印象でしかなかったんだけどね)が、P185では丸山遊郭で遊んだことないっていっていて、この巻の終わりではじめてそこにでかけるってんだから、そうでもないのね。

筑前福岡、黒田家。「風雲児たち」で見たかぎり中々賢明な君主のようだったのに、勤王家を大量死刑って、そのくらい勤王派にとっては情勢が悪くなっていたということかな?
藤堂、再登場するとは思わんかったので、再び出てきたことにちょっと驚き。でも、ここで出てきたということはあと1度、2度はまた出番がありそうだな。
竜馬、襲撃されて薩摩藩邸にかくまわれたあと、移動するときに寺田屋の前を通ってわざとらしく咳をするシーン好きだわ(笑)
小松帯刀、西郷・大久保の活動地盤をつくるのに彼の働きが大変大きかった、ということだが、いままで名前は知っていたがそれ以外ろくに知らなかったけど、薩摩の二人が世に出るために大きく尽力したというのが功績か。

饅頭屋、才気があり、維新後に仕事ができた(必要とされたはずの)人なのに、こんなことで死ぬというのは本当に惜しいなあ。

大久保の「幕府を討て」と聞き間違いを装う逸話。あまりにもわざとらしすぎるだろ(笑)

高杉が竜馬に船をだして、共に戦うことを請うシーン。このシーンかなり好きだ。「世に棲む日日」もこういうところ書いてくれよ。「竜馬がゆく」で書いたし、いいかと思ったのかもしれないけどさ。