お伽の国 日本 海を渡ったトルストイの娘

お伽の国‐日本―海を渡ったトルストイの娘

お伽の国‐日本―海を渡ったトルストイの娘

内容(「BOOK」データベースより)
文豪レフ・トルストイの末娘として貴族の家柄に生まれ、父の死出の旅に立ち会ったアレクサンドラ。戦争、革命、投獄、母の死をのりこえ、革命後のソ連に絶望して日本に脱出したアレクサンドラが、アメリカに亡命を決意するまでの二年近くを過ごした昭和初期の“お伽の国”。父の永遠の思想の実現に人生を捧げた娘が見た貴重な日本滞在記。

前にもちょっと読みたいと思っていたけどページ数のわりに高いから、二の足を踏んでいたが、図書館にあったので、そこで読んだ。まあ、思っていたよりも普通の日本の印象記かな、ソ連から来たからか日本に対する賞賛の色は強いけど。

堂々とほとんど隠れずにつけまとう密偵。「坊ちゃんの時代」のたしか啄木の巻だったかで、尾行されている共産主義者に気づかれていて、尾行対象に声を掛けられても堂々と近寄っていくようなシーンあったが、時代は違えど、あれってリアルだったのね(笑)

日本でのトルストイ信奉者。結構人数いたのかね、実際にその思想を実践している人は少ないとは思うが、トルストイの思想が、今からではあまり想像つかないが、そういう同時代的な影響力が日本でもかなり広範に及んでいたということを、はじめてそうした実体(?)を知った(というとあれだが、「はじめて実感した」だと、よく理解できたという意味を含んでしまうように感じるからなあ……)。今まで単に小説家としてしか見てなかったからなあ、現実世界にまで影響を及ぼすようなものとは露とも知らなかった、いやたぶん小説の解説にはそうしたことも書かれていたことと思うが、読み流していた(記憶にとどまらなかった)よ。