とんかつの誕生 明治洋食事始め
- 作者: 岡田哲
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/03
- メディア: 単行本
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文庫新刊でタイトル見てからちょっと気になって、だけど買うのには迷うような内容(普段買わないようなもの)なので、図書館で単行本を読んだ(笑)食事に関しては、実際食べることにそんなこだわりがあるわけではないのだが、こうした食事や食べ物に関する歴史にはなんか結構興味がある(ということに最近ようやく気がついた)ので、今後もそのテーマの本を読んでみようかな。
幕末に海外へ長期派遣させられた奉行たちは、船旅の最中に牛肉やパンがつづくと食べる気がせず、餅や海水での粥で元気が出たという挿話には、やっぱり当時の人たちは毎食養殖はきつかったということが今更ながら実感できた。今まで、幕末に来た使節などとの会食で外国船での食事だと結構食べていたイメージがあるからちょい意外だったが、それは珍しがってというような要素があるのをすっかりわすれていた。なんとなく、当時の人も現代の日本人のように肉を美味しがって食べたのだとばかりに思っていたよ。そんなイメージをもっていたのは、当時の外国人の観察記からの引用などからかなあ。それに、美味しかったのだとしても、それを普段の和食より好んで食べたり、常食にするのは無理なことだった(当時の人たちは当然現在よりも他国の料理に馴染みがなく、すると当然口に合わないことも多かった)ということをすっかり失念していたよ。
あんぱん、1874年に誕生。あんぱんを作った人がパン作りを始めたのが50歳過ぎだった、しかも維新後間もなくのもと武士によって、ということに驚く。
「豚肉は牛肉や鳥肉に比べて、脂肪量が比較的多く」って、最近豚は案外体脂肪少ないとかあちこちで見るけど、こうした比較の中で豚肉の脂肪が多いから、豚=太っているというイメージができたということなのかな?
1883年の一人当たりの年間豚肉消費量4グラムって、いくら食べる習慣がなかったとはいえ少なすぎてびっくりだわ。
カツカレーとかつ丼ができたときは、まだとんかつが誕生していないので、カツレツだったということには、とんかつができてからそこから派生したとばかり思っていたので、えっそうだったんだ、って感じだ。
とんかつ誕生当初、『料理人の態度が横柄であったり、嫌味を言われたり、もったいぶって客を待たせたり、主人の気分により早仕舞いをしてしまう。』(P174)というような、著者も指摘していることだが、たしかに現代のラーメン屋のような様相だ(笑)