ロンドン 食の歴史物語

ロンドン 食の歴史物語―中世から現代までの英国料理

ロンドン 食の歴史物語―中世から現代までの英国料理

内容(「BOOK」データベースより)
チョーサー、シェイクスピア、ピープス、ジョンソン博士、ディケンズ、ワイルド、ウルフら、文豪たちは何を食べ、何を飲んでいたのか?中世から現代の「ブリジット・ジョーンズ」まで、文献と史料に基づいて、ロンドン子たちの“食の歴史”を風味豊かに描く。

後ろについているレシピとか読んで、文字で材料だけ読んでなんとなく味について想像ができたり、どういう見た目の料理なのかわかるほど想像力がないということが改めて実感させられたよ。じゃあ、なんでこういう本読んでいるのだろうかというと、食に関するエピソードが好きだからかなあ。とここまで書いていて、自分の書いた「中世ヨーロッパ 食の生活史」との冒頭の感想と被っていることに気がついたが、だが、他に書くこともないので、そのままにしておこう(笑)あと、章ごとに作家の短い伝記のような記述もあり、そこのところも面白い。扱う時代ごとに作家が1人(最後の章の戦中〜現在は0で、3章は例外的に2人だが)ずつ取り上げられているが、個々の作家の作品を知っていればあの作品の時代にはこういう料理がというような楽しみ方もできたのだろうなと思うが、あいにく半分以上の作家の作品を読んだことないし、読んだことのある作家についても1、2冊程度しか読めていないなあ。


バーナクル・グース(ガンの仲間)、貝から生まれると思われていて、肉食禁止期間に魚として食べられた(同様に鯨やイルカなども)。鯨やイルカが魚としてというのはまだわかるが、それは明らかに鳥だろうと思うのだがw
『中世にスパイシーな料理がとくに好まれたわけは、もしかしたら冬のあいだに食べられる塩漬けの肉や魚にすっかり舌が慣れてしまい、味の薄い料理では満足できなかったせいかもしれない。』(P28)今までそうしたことへの関連は考えたことがなかったが、これはなるほど、とすごく納得がいった説明だ。
着色された食品を好むことが中世と現在にも共通する、という指摘は目からうろこ。着色したにんじん、缶詰の豆の不自然な緑、真っ白な小麦粉などの例をあげられれば納得。
16世紀後半〜17世紀前半の時期(?)、『おおかたの意見によれば、イギリスの肉の中で最高に旨いのは鹿肉だった』(P57)鹿肉が一番とは意外!そんなに美味しそうなイメージを個人的には持っていなかったので。
貴族たち、多量の肉を消費して、生野菜が不足しているので、壊血病だったり、その兆候が見られたり、壊血病というと海のイメージしかなかったから驚いた。
『ベークドビーンズはイギリス人の基本食品にまでなった(そして今日の成人の多くが九歳で美食にめざめたことの責任もここにあるかもしれない)』(P234)ベークドビーンズ、食べたことはないが、「美食に〜」というのはそれがまずいから逆説的(?)にということでいいんだよね?