椿説弓張月

椿説弓張月 (学研M文庫)

椿説弓張月 (学研M文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
江戸時代後期の作家、滝沢馬琴出世作。大ベストセラーとなり、浄瑠璃や歌舞伎にもとりあげられてヒットした。物語は、伊豆大島に流されて死んだはずの源八郎為朝が、実は生きていて、やがて琉球に渡り、王家の内紛で大活躍するという波瀾万丈の活劇ドラマ。『御宿かわせみ』などで知られる時代小説作家、平岩弓枝の現代語訳が、いきいきとその面白さを伝える。

 現代語訳。馬琴の作品は、「南総里見八犬伝」が有名なのに、それは上巻を読んだあと投げているのに、なぜそちらを再読した上で最後まで読み通すのではなく、道著者の違う作品を読むのかは自分でもよくわかんないな、他の作家ではそんなことしたことないと思うが。まあ、シラミ(現代語訳されている「花見虱盛衰記」)の話を以前に「南総里見八犬伝」をほっぽってあるのに読んだときよりもましか(笑)。まあ、古本で買って積みっぱなしになっていたから、電車の待ち時間とかで読んだ(ソレしか読むものない常態じゃないともう数年本棚の肥やしになるのが目に見えていたから)というだけのことだけど。というか、時代小説で有名だけど、平岩さんの本を読むのも、実はこの本がはじめてだ。
 鶴、琉球まで行くのか?まあ、ちょっとググってみたら鹿児島に有名な渡来地があるようだから沖縄までも行くだろうな。
 自分の珠とよく似ているといって、珠を譲ってくれるよう頼んだのに、いざ譲ろうという段になると、もし違ったら騙すことになるといっているのは今更で腑に落ちん。
 琉球芋(薩摩芋)がこの時代からあったというのには、さすがに江戸時代に書かれたものだなという感慨を覚える、というか江戸時代はある程度知識のある人でも琉球原産とでも思っていたのかな?
 人と人との結びつきが今から見ると、ちょっとリアリティが全然ないように感じる繋がりだなあ。まあ、物語(ファンタジー)だから、そういう人物類型の方が好まれたということだけだろうから、そんなことに愚痴っても仕方ないけど。
 「三章 危うし琉球王国」、時間がそれまでと前後しているのをこの章を半分くらい読むまで気がつかなかった。
 主人公側は無双の活躍をするし、時間やストーリーもテンポよくポンポン進むので、思っていたよりもずっとさくさくと読むことができた。キャラクターの魅力の薄さ(特に女性)という欠点はあるけど、それは大体この時代の本では大概そう(女性のキャラの画一さ)らしいので気にするだけ無駄だろうけどさ。