極北からの声 フルメタル・パニック サイドアームズ2

内容(「BOOK」データベースより)
“彼”と最初に出会ったのは、凍てつく大地のさらに北、大海のただ中だった。おそらく、彼との関係にも偶然以上のなにかが潜んでいるはずだ―。13年前。極寒の海で、壮大なる物語は始まった。“ミスリル”の傭兵・相良宗介と、彼の上官であり父親代わりであったカリーニンとの運命的な出会いが描かれる!宗介のルーツ、日本人であるばずの彼が、なぜアフガンゲリラとなったのか?今まで謎に包まれてきた物語が、明らかになる(「極北からの声」)。“相良宗介”“ミスリル”“ささやかれた者”―『フルメタ』の核となるエピソードを収録。戦うことを畏れる純真な幼子だった、あの日の宗介に会える。

 「極北」とか「デ・ダナン」みたいに、若者以外のシリアスなサイドエピソードを読めるのがいいね。正直普段のコメディに大きく酔っている短編よりも、こうした短編の方がずっと好きだな。

「極北からの声」
カリーニンがたまたま幼児時代の宗介を救助したエピソードでの第一声が「肯定だ。助けにきた。」というのは宗介っぽいしゃべりかただな。ここに宗介がそうした雰囲気の言葉を好む源泉があったりしてたら面白いな。というか、救出されたときボン太の人形を持っていたりして、そんな頃からボン太との縁(?)があったのねw。しかし、子どもの頃の宗介はなかなかに愛らしい。
 カリーニンガウルンに対する印象の『西側的なものの考え方をする一方で、彼は物質文明やヒューマニズムというものに対して、ある種の軽蔑と嫌悪を抱いているようだった。』(P56)というのは、「オリエンタリズム」(絶賛挫折中)でもなんかそのような矛盾(西洋的考えを批判しながら西洋の考えがベースとして批判をしていると言う点)があるとかなんとか聞いたことあるような。
「<トゥアハー・デ・ダナン>号の誕生」
 マデューカス、帽子を前後さかさまにする動作、無意識だったのかい。気合入れるためとかのスイッチとしてやっているのかと思っていたよ。
 セイラー、登場するとは思わなかったので少し笑っちゃうw
 そういえばミスリルの資金はどこからどういった目的で供出されているのか不思議だ。説明あったかもしれないがすっかり忘れている。だって普通成立しないじゃん、こんな正義の味方風の組織。
「大喰らいのコムラード」
 これは普段のノリの短編。千鳥たちに足元に気をつけろと注意しているが、そんな部屋の中で、トラを飼っているのは、トラにとっても危ないなあ。