都市と星 新訳版

都市と星〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF ク)

都市と星〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF ク)

内容(「BOOK」データベースより)
遙か未来、銀河帝国の崩壊によって地球に帰還することを余儀なくされた人類は、誕生・死さえも完全管理する驚異の都市ダイアスパーを建造、安住の地と定めた。住民は都市の外に出ることを極度に恐れていたが、ただひとりアルヴィンだけは、未知の世界への憧れを抱きつづけていた。そして、ついに彼が都市の外へ、真実を求める扉を開いたとき、世界は…。巨匠が遺した思弁系SFの傑作、待望の完全新訳版。

 新訳版が出てすぐ買って、それから長らく積んでいたが、ようやく読了できた。読み終えるまでに3年もかかるとはさすがに予想外だ、しかも一緒に買った「ノーストリリア」はまだ1ページたりとも読めていないという有様だし(笑)。
 <サーガ>、VRMMOのような感じでいいなあ。とても何十年も前の発想とは思えない。
 個人的にはダイアスパーの方が好みな社会だなあ。老いずに死なない社会というのは、個人としてはいいけど、社会としてはどうしても袋小路っぽいけどさ。いや、何も知らずまっさらな状態で生まれるなら、テレパシーとか気にならないだろうから、エアリーでも別にいいけど、でも、虫や動物苦手だからなあ。
単に自然最高って感じで、エアリーに居つくということはなくてよかったよ。個人的にはダイアスパーの方にも魅力を感じていたし、彼らにとってごく自然なことで意識はしていないかもしれないが、ダイアスパーを見下しているようなのがちょっと気に食わなかったから。それもアルヴィンが動くことで、どちらも閉鎖的な社会であり、幻想を共にしているというのがはっきり自覚させられるが。