ずっと、スタンド・バイ・ミー 上 フルメタル・パニック


内容(「BOOK」データベースより)
ソ連の秘密都市“ヤムスク11”で明らかになったのは、この世界が『時間災害』によって生まれた歪んだ世界だという衝撃の事実。だが、宗介にとってもっと重大な事態が起こっていた。さまざまな苦難の末に再会したかなめに異変が起きていたのだ。宗介に向け銃を発砲したかなめは、歪んだ世界を元に戻すべく宿敵であるはずのレナードと共に姿を消してしまう。二人の行方は追う宗介たち“ミスリル”の生き残りメンバー。最後の決戦の地は皮肉にもかつての古巣メリダ島。全面核戦争による世界滅亡のカウントダウンが始まる中、最後のミッションがスタートする!SFアクションの金字塔ついにクライマックス。

 あいかわらず、感想を書くのが進まないが、終わりが見えてきたな。というか、発売してから2年と建ってないのに新装版が出ているみたいね。(追記)と、思っていたらKindle版だった恥ずかしい、「(新装版)」なんて付いているから悪いと思いまーす(責任転嫁)。
 アマルガム、最初は高潔な理想を持っていたが時を経るたび、既得権益を守ることが主体に。というか、人類の未来云々という高潔で抽象的な理念だけで何かしら益がないと、早晩腐敗することは結成されたときから目に見えていたように思う。まあ、天才たちであっても、そんな高潔な理念と自分たちが実際に動かせるということに酔っていたということかな、逆に天才だからこそそんな個々の能力と良心頼りな組織にしたのかもしれないけど、案外実務家が混じっていたほうがよい結果になったかもね。ま、結果論での感想だといわれればそうだけど。
 宗介、アルが設定を迷って口に出した瞬間から次々に変えようとするのに、呆れてたような目のイラスト、今まであまり見たことのないような表情だけどいいね。
 自分ら(ウィスパード)は、歴史改変したあとの世界に現在の意識や記憶を持ち込めるのか、レナードは母に売られ(妹を助けるため、生贄にされ)かけたという事実を忘れたい、それ以前に戻りたいというセンチメンタルな理由もあるかとおもったが、それは全く無いということか。それなら多少は(本当に多少は)、同情しないでもなかったのだが、もう同情の余地なし。いや、もし、たとえ母がそのような状況のときに裏切った、それは移行した後でも変わらない(同じ状況になったら、そうするだろうと解っていても)、でもその世界軸の事実として、そのようなことはなかったとなっているなら、自分も気にしないし許そうなどといういじましい気持ちならいいけど。
 そして、いよいよ最後の決戦へ!
 クルツ、実は生きていたのか!良かった、普通こうして死んだ人が実は生存していたという展開は醒めることが多いんですけど、前巻から大分間が開いているし、それにクルツには死んでほしくないという気持ちも強く持っていたので、純粋に嬉しい。