名将に学ぶ世界の戦術 図解雑学

名将に学ぶ 世界の戦術 (図解雑学)

名将に学ぶ 世界の戦術 (図解雑学)

内容(「BOOK」データベースより)
古今東西の戦いにおける偉大な指揮官たちの判断や行動を追体験することにより、戦いに勝つための原理や原則を具体的に理解できるようになっています。世界の戦史における勝敗の決定的瞬間を解明することを目的に、戦術の観点から戦いを解説。

  戦法や戦術というものが今まで小説とかで描写されても全然わからなかったので、こうやって実際の戦いを解説している本を読めばいくらか解りやすいかと思ったが、あいかわらず全然解らん。わかったのは、とにかく高所から攻撃をしたり、状況を正確に把握し、すばやい判断で側面攻撃や包囲したり(といっても側面攻撃も、一重包囲とかそんなのに分類されるだっけ、いや微妙に理解しないまま読み進めて言ってしまったので、ふわふわな理解だが)、多い戦力で(中央・翼側)突破をして戦果拡張したりと、非常に優位という非常にシンプルなことが大前提としてあり、そのシンプルさをもつものが最も重要で、怪しげな秘奥などというものは戦術にはないということは、散々他所でも見たことあったがそれをより深く感得できた。今までは秘奥とか神秘的なもの、まるで知らない事柄については言葉にされたら否定はしても心の内奥に無自覚に潜んでいることがあるもの、がまだ少しあるんじゃないかというのが心の奥底に5%ぐらいあったが(コレを読んだ後そういう気分があったことに気がついて、自分自身驚いた)、それがなくなった。
『遅滞(複合)行動は、「止まる」と「退く」を反復して行う行動であり、敵の前進を遅らせることを目的とした場合を遅滞行動、安全確実な退却を目的とした場合を複合行動として区別される。』(P21)この区分は知らなかった、というか、整然と退却するとかいうのは、これの後者か。
 秀吉と光秀の「山崎の戦い」は秀吉は勝ったけど、戦死は同程度だったのね(昔だから正確な数はわからんだろうが)。
 フランスがプロイセンに宣戦布告して、布告した側の展開が混乱しているってどんだけw、それで結局「セダンの戦い」で負けた。
 コラム2の名戦術家の条件で、『名戦術家は、確立した方針を自己の責任において断行し、簡潔で疑問を抱かせない命令を与えて部下と目的・目標を同じくし、目標達成の範囲内で大いに自主性を認めて部隊に最大の能力を発揮させる。』(P164)というのを見て、そういう簡潔でそれが有効だとわからせる目標・目的を伝えられるというのも非常な能力だよな、と強く感じた。
 西郷のイラスト、なんか久米田絵のモブっぽい感じのイラストで笑ってしまった。
 「千早城の戦い」資料に残っていないのかもしれないが、「各種戦法を駆使して」だったり、「奇策により」だったりといくつかが具体的に書かれていないのが気になった。
 「ヘイスティングの戦い」クロスボウ、高射角による弓射って、クロスボウでやる意味がよくわからん、よっぽどクロスボウが多くなければ、矢の量が少量で効果薄いのではって思ってしまう。まあ、高所で防御している相手に無策で攻撃するよりずっとましだし、普通の弓よりずっと後方(相手の弓が当たらんとこ)から、高所の相手へ攻撃できるということは大きいけど。それにロングボウと違って誰でも扱える、というのも大きいし。