オーバーロード 2 漆黒の戦士

オーバーロード2 漆黒の戦士

オーバーロード2 漆黒の戦士

内容(「BOOK」データベースより)
異世界に転移して約1週間。アインズと戦闘メイドのナーベラルは、城塞都市エ・ランテルに「冒険者」として潜入していた。目的はこの世界の情報収集およびエ・ランテルでの名声。二人は薬草採取の依頼をうけ、「森の賢王」なる魔獣がひそむ森へと向かう。同じ頃、エ・ランテルにしのびよる邪悪な秘密教団の影…。最凶の女戦士と、偏執の魔法詠唱者が操るアンデッドの群れが鎧を纏ったアインズの前に立ちはだかる。

 発売日になっても、特典ペーパーを貰うためアニメイトに行こうか迷っていたが、急に最後の一限が休校になったから、これは買いに行けという啓示だと思い、わざわざ乗り越してまで、行ってきたんだが、あいにく既に売りきれであった。どうやら神は特になにも言っていなかったようだ。まあ、一旦でも特典ペーパーを手に入れようというきになってしまったものだから、結局特典がついたエビテンで購入した。
 武技がこの世界特有のものになったり、魔法のオーラを見抜くことが、この世界の魔法使いならだれでもできることでなく、生まれながらの異能(タレント)をもった人間だけの技能になっていたりと、設定もweb版と変わっているなあ。
 この世界の美的感覚は、アインズの持つものとさして変わらぬようだな、しかしそれでアインズ(の中の人)の顔が『贔屓して三枚目が五枚目ぐらいまでランクダウン』(P132)なのは、彼に救いはないのかw、まあ、ハムスケのことは別として(笑)。まあ、ネズミとハムスターとの比較してどうこういうのは、日本人でも普通に清潔感とか可愛らしさとかのイメージが全然異なるからしかたないにしても。
 ナーラベル、結構キャラ変わっているなあ。いや、単にアインズに正妃にふさわしいのは誰かをめぐり、シャルティア派とアルベド派に分かれている、あるいはアルベドとかナーラベルがそんな見方をしているに過ぎないのかもしれないが、とにかくそうしたもので、アルベドに片寄せしているということが、web版では自分が!という感じ(独立不遜というか、そうしたことを意に介さない印象があり)で慕情を抱いている風だったのに、書籍版ではそうした色合いはあまり見られないからそうした点(アインズに対する感情・敬意)が少し弱まっているだけかもしれないが。イラストは一番好みなので、そうした絡みがないのは残念だが。ここまで書いていてようやく気づいたが、横の関係があることが意外なんだ、正直web版ではアインズを害するものは、同じナザリックの面子でも、そして自分よりレベル高くとも、殺すという気概を持った連中ばかり、という印象だったからなあ。
 そして、ナーラベル『ルクルットから話しかけられないので鼻歌すら歌いだしそうなほどご満悦だ』(P159)ということだが、案外満足の閾値が低いのねw。というか、ナーラベル、web版と違ってアインズに言われても、人間への態度変えられないのをみると、自制心がきかなくなっているなあ。
 シャルティアとアルベドが悪口言い合っているしーんで、「食品ディスプレイ」という喩えがあったが、それをお互い知っているような反応だったが、なんでそんなの知っているんだよ。web版では、シャルティアらはせいゆう(声優)も知らなかったようだから、ギルドのメンバーがNPCのいる前で食品ディスプレイという語を使っていたとしても、その詳しい説明まではしないだろうから、両方知っているのは?となったが、まあ、そこらあたりの設定も変わっているということなのかなあ?
 エクレア、ペンギンの外見で、ああして偉そうに話していたり、小脇に抱えられたりしているのはすごくユーモラスで思わず笑いがこぼれる。
 漆黒の剣の面々、まさかあっさりと退場するとは思っていなかったよ。web版では何度か登場しているし、死んでいない面子だから尚更。
 アインズ、リイジーに助け出すことを依頼するなら、お前の全てを差し出せ、というのは悪役的でいいねえ、web版では妙に他者に対する攻め方が甘い(ある程度相手の力が代替創造ついているのにifの可能性ばかり想像して過大評価することで、本来の力関係からすると異様に譲歩した条件を提示するといったような)印象だったから、こうしてずっぱり最初から我が下につけという風にいっているのは読んでいて爽快だ。魔法を使ってヒトを探させるのに巻物を大盤振る舞いしているなあ、まだ新しく作れるかどうかがわからないのに、それだけリイジーのことを重要だと思っているのだろうから、リソースをきっちりつかうという判断を躊躇なく下しているのだろう、アインズのそうした判断を迷わずとっているのはいいね。そして、戦闘シーンではアインズは、戦っているうちに成長しているという描写があるのはいいね、web版では慢心した挙句短気を起こして魔法でケリをつけたという印象で戦いの最中に剣の扱いが成長した描写がなかったから。
 シャルティアがアインズに対して発した『神が作りだしたような造形』(P9)という褒め言葉は、web版では神そのものであるかのように崇拝していたのに、大分トーンダウンしているな、まあ、ナザリック全体として今のところまだそういう「狂」的部分は出ていないだけか、あるいは書籍版ではそうしたことは強調しない方向なのかな、と思っていたら、ラストでシャルティア謀反という報告がなされているのをみて、ひょっとしたら……という疑念がわきおこってきた。でもペーパーでもこの巻の序盤でもアインズが好きってところをだしていたし、大丈夫だよね、……たぶん。「小説家になろう」の作者さんの活動報告で「でも致命的な失敗をしているところがやっぱりアインズ。」といっているので、なんかアインズのミスなのだろう、ミスはわからないが、そうだとすると本当にシャルティアが謀反したとするならば、シャルティアは謀反自体がアインズに示唆されたものだと思い、シャルティアは自分を「ユダの福音書」のユダの役割を果たしているのだという風に思っているのかなあ?まあ、ともかく次巻でどうなるか早く見たくなってきた。