ずっと、スタンド・バイ・ミー(下) フルメタル・パニック


内容(「BOOK」データベースより)
大きな犠牲を出しながら、ついに飛び立ったフル装備の“レーバテイン”と相良宗介。強力な敵の迎撃部隊を突破し、かなめが待つメリダ島最深部へ着実に近づいていた。だが、新兵器を装備したレナードが駈る“ベリアル”が出現。切り札の“妖精の羽”も破壊されピンチに陥る。一方、核ミサイルの発射を防ぐため、宗介たちとは別行動をとるマオとクルーゾーも、絶望的な状況に陥っていた。全面核戦争による世界滅亡のカウントダウンが始まる中、彼らに起死回生の秘策はあるのか!?そして宗介とかなめが交わした、あの日の約束は永遠に成就しないのか!?SFミリタリーアクションの金字塔ついに完結。


 これで、本編の感想を書くのは終わり。案外早かったな、と全然と終わらないという意識が強かったので、そう思ったが、今年中に書き終わらないかもなあ、と冗談交じりにいっていて、実際に書き終わったのが10月だから全然早くはないな(苦笑)。
 『君を追いかけて一年間』(P13)あら、そんなに時間が経過していたのか。いや、組織がほとんど壊滅的になってから、こうして相手を邪魔しに来れるまでに一年でふたたびそこまで戻してきたのは驚異的だが。宗介が長広舌をふるい、もう迷わず、躊躇わないことを宣言したのは、安心したわ。最終決戦のさなかでまだ迷っているのでは、活躍できなそうだからね。
『あたしたちが求めてるのは、もっと優しくて繊細な世界。ただそれだけなの。癒しと調和と透明感があって、それでいて鮮やかな――』(P18)ウィスパードがいないだけの時間軸に戻すだけなのに、やけに大げさな表現で、ちょっと失笑がこぼれる、だからこそ宗介が「だまれ」とあっさり切って捨てたのは爽快感すら覚えるよ。
『ブラック・テクノロジーは50年、100年先の未来人からもたらされたものではない。いまこのときから一八年前に送られた。何度も何度も、数え切れないほど、この一八年間が繰り返された挙句に、ここまで発達してきたのだと推測される。』(P97)ループ物(という名称でいいのかわからんが)の要素まであったのか、このシリーズの設定には。
 マデューカスが手榴弾をはじき返したシーン、めちゃくちゃ格好良くて、すごい好きなシーンだ。
 おお、クルツ復活、クルツ復活!ぎりぎりで来て戦線復帰なんてまるでヒーローのようだ、ありがちな比喩だが、あいにく語彙が乏しいので他の言葉が思い浮かばんのだ。
 ボーダも生きておったか。
 エピローグで宗介がごくあっさりと米軍基地から脱出してきたのには笑った。
 シリーズ本編はこれで読み終えたが、やっぱり名作なぞと呼ばれるだけあって面白かった。