アクセル・ワールド 13 水際の号火

アクセル・ワールド13 ―水際の号火― (電撃文庫)

アクセル・ワールド13 ―水際の号火― (電撃文庫)

≪加速世界≫での戦いが、リアルワールド/
郷中学文化祭をも巻き込み燃え上がる!

 新アビリティ≪光学誘導≫を獲得したシルバー・クロウことハルユキ。ようやく≪メタトロン≫との決戦の準備が整ったにみえたが、戦いの舞台は梅郷中学の文化祭へとうつる。
 ≪スカーレット・レイン≫ことニコと、≪アッシュ・ローラー≫こと日下部綸に文化祭の招待状を渡してしまったハルユキは、黒雪姫の氷属性なオーラに脅えながらも、クラス展示班の仕事を他のメンバーと協力してやりとげ、ハルユキは文化祭本番への期待に胸をふくらませる。──しかし、加速世界に混沌を広めんとする≪マゼンタ・シザー≫の魔手が、思わぬ方向から迫りつつあった。
(電撃ドットコム > 電撃文庫電撃文庫MAGAZINE > 新刊情報 より)

 毎度の如く冒頭の段階では前回までの内容を忘れてしまっていたので、どういう状況でバトっているのか思い出すまで大分時間がかかった。しかし今回は、文化祭などの日常シーンが多く、また敵が登場してくることもほとんどなかったので心を穏やかにして読めた。
 水道管を流れる水の漏水率は21世紀初頭(つまり現在)で5パーセント前後って、結構多いなあ、そんなに漏れるものだとは知らなかったので、この豆知識は面白かった。
 『僕をいらないと言った、父さんと母さんみたいに』(P100)ハルユキの家庭事情はそんなことになっていたのか。せめて現在同居している母からのその言葉は売り言葉に買い言葉といった感じであったか、単純に子供とどう向き合えばいいのかわからないということならまだいいのだが。
 アクア・カレントがネガ・ネビュラスに復帰したことにより、初期の黒雪姫の仲間のうちの主力である四元素のうち3人が復帰したことになって、かなりこのレギオンが強化されたね、まだまだ少数精鋭って感じだけど。でも、赤の王のレギオンが現在三十数名だから、それから考えたら極端に少ないってことではないのかな。それに、もともとのバーストリンカー自体の人数も少ないことだし。
 領土戦争、基本的に防衛側の人数に合わせるが、攻撃側の最小数は三人。だから小さなメンバーでも領土を守れてきたのか、前に黒の王が1人で、後の幼馴染の3人がチームで防衛をやっていた時に説明されていたような気もするけど、すっかり忘れていた。
 無制限フィールドで黒の王が神獣級のエネミーをけしかけてきたと考えて、赤の王のレギオンの旧赤の王時代からいる古参の3人が、彼らの独断で、領土戦争をしかけてきた。言葉では説得できないと最初からわかっているから、『私たちはバーストリンカー。だから、拳と気合で語るのです!』(byアクア・カレント、P138)と説得(物理)ないしバトルで決着をつけるのは少年漫画的な展開で好き。
 ハルユキとニコがベッドで抱き合っているイラスト、絵面だけ見たら実に犯罪的だな。
 ハルユキ、文化祭のクラス展示で、背景として2010年代当時の高円寺の風景を3Dグラフィックにマッピングして、さまざまな車を走らせる等静止したものを貼り付けているのではなくて、動かしている。というのは、そうすると面白いと思う発想力と実際につくる実行力も含めて、ハルユキすごいな!こういった何らかの作品を作れるということには、ただただ尊敬する。
 カラーページの文化祭の一幕で女性キャラたちが水着になっているのは、一体どんな状況なのかと思ったが、本当に水着を着ているわけでなくテクスチャを載せて、そう見えるようにしているだけなのね。それにやたらセクシーな衣装に変わったのは、飼育委員の女子が姉から試着用プログラムを借りてきてクラスでやっている喫茶店でそれを利用しているのを、通常のモードとは別のモードをハルユキが好奇心に駆られて押してしまったために起こったハプニングということだったので。あきら(アクア・カレント)の衣装はなんだろうと思っていたら、ドリンクについている名前と同じ動物に変身するということで、読み返してみたらビーバーか、だからつけ耳がないのか、なるほどね。しかし、皆さん、中学生程度だというのにかなり肉体的に成熟しているねえ(ドコトハイワナイガ)、現在よりも30年も未来だからかね。あ、黒雪姫先輩はその、うん。