ベン・トー 10


内容紹介
半額弁当バトルに青春を賭ける佐藤洋は、節分の日限定の弁当「鬼斬り弁当」に狙いを定める。そこへ「退魔師」という二つ名を名乗る新たな狼が現れる。その狼の狙いは弁当だけではないらしく…!?


 表紙誰だ、と思っていたらウルフヘアか、と本編中にウルフヘアの挿絵を見てようやく気がついたが、感想を書くときになって、本屋でつけてもらったブックカバーをはずして改めて表紙をみてみたら帯に思いっきり「表紙初登場!ウルフヘア」と思いっきり書いてあったが、その本を購入するつもりでいった時にわざわざじっくりと表紙を見ないので見過ごしていたわ(苦笑)。
 今回は本編だけどストーリー的には中篇2つに分かれている。最初の節分時のエピソードは珍しく狼としての白粉の凄さや強さが存分に出ている話だ。佐藤、スーパーの裏で、白粉を追いかけている退魔師に挑んで敗れ意識を失った白梅を前に妄想が炸裂しているのは、……もう、なんというか流石としか言いようがありませんね、「変態」という二つ名に恥じない(?)行いだ。しかし、ジッパーの開閉音で起きる白粉って……、2章で『多分感性は近いのだろうな、僕とコイツ』と佐藤が言っているように案外2人って似ているねえ。それから佐藤は、白梅がおきた後直迅速かつ自然にシリアスへと移行できるのはすごいわ。佐藤は白梅に自分が退魔師を白粉から祓うと約束しているが、白粉が鬼塚に負けたのも、次戦で白粉が退魔師から。その程度か、と見限られるのも結局佐藤が口を滑らして白梅がスーパーについてきたのが大きな要因だったから、その約束を結果として果たしても何ともいえんなあ(笑)。それと退魔師が思っている『組み合わせ(カップリング)による能力変動は今後検討すべき課題だろう。』(P131)とあるが、白粉がかなり出てくる話だから、そのルビは狙ってやっているよね(笑)。あと、最後に槍水先輩が退魔師がパワータイプの戦術なのは、癖の強い技だと応用が利かないから、その戦略的に妥当という説明は納得。癖のないほうが、色々応用利くしねえ、まあ癖の強いほうにはその分ロマンがあるけど(笑)。白梅がいるのに佐藤が恵方巻きを食べているシーンに変な妄想しているけど、白粉ってそういう面を白梅に既に知られていたっけ?どうも、その辺記憶が曖昧だなあ。
 高段位桜桃少年団、憲法や法律から健康で文化的な生活をおくるため彼女が支給されるべきと阿呆なことをぬかしているが、少し本気でいってそうと感じてしまったから流石に引いてしまった。しかし白粉、媚薬入りチョコレートを男子寮(高段位桜桃少年団)の連中に食わせようとしているのは鬼ね、まあ彼女の期待通りの同性同士でのアレコレは起こらなかったが、彼らが性欲が止まらず悶えたり賢者になったりしているのは笑えた。
 あせびちゃん、バスに猫耳のある人型の跡が残るくらいの衝突をして怪我をしていないとか、謎の猫耳帽子の動きとか色々と常識を超越しているなあ。まあ、お守りが実際に目に見えて効いたりしているのだから、今更だが。
 『結構広いもののやはり著我の金髪はどこにいたって目立つ。それが僕と同じパーカにスカジャンの重ね着ともなれば一発だ。』(P206)著我と佐藤、さらっとペアルック状態であるのに、それでもお互いそれを気にしていないのな。著我が年明けにキスしたときの話題で少し恥ずかしがっているのを見ると、やっぱり佐藤は著我とくっついてもらいたいなあ、と強く思う。というか今回のバレンタイン前夜の2人の会話など、彼女との絡みのときだけたびたび恋愛マンガみたく甘酸っぱくなるからなあ、そう考えると実際メインヒロインだよね。色っぽいシーンが一番多いのは茉莉花かもしれないけど(笑)。
 二階堂、弁当のおまけにモナーク松葉菊の手作りチョコバーが付くから気合が尋常じゃなく入っているのは笑えるのか、そのいじらしさにホロリと泣けばいいのか非常に迷う。そして、鏡は本気で二階堂のこと好きなのか、二階堂がさっさと未練をふっきって振り向いてくれるといいね。
 急に抱きついてきた茉莉花を巴投げしそうになるのは、読んでいるこっちも冷汗がでるわ、あっぶないなあ。しかし、今回も茉莉花と佐藤の絡みがエロ過ぎてやばいな。
 三章で退魔師が襲撃を受けている、と彼の従兄弟のジョニーが話したのを聞いて、白梅ないし一方的に白梅を愛している面々が佐藤の脳裏に浮かんだが、そうだとすると退魔師は狼として普通の行為をしただけなのにとんだ災難だな。
 ウルフヘア、空中に狼を投げ飛ばしてその上に飛び乗ったって、桃白白かよ!wあと、ジョニーには従兄さんに習ったとか、従兄さんが考案してくれた〜、とか言っているのが目立ったので、今巻でなんか新たなキャラが付いたようだな。