魔法科高校の劣等生 10

内容(「BOOK」データベースより)
西暦二〇九五年十二月。雫との『交換留学生』として、USNA(北アメリカ大陸合衆国)からリーナが魔法科高校にやってきた。達也は、彼女が大規模破壊兵器に匹敵する戦略級魔法師「十三使徒」の一人であることを瞬時に見抜く。そして、同じ時期に東京で発生した『吸血鬼』事件―魔法師の血液を抜き取る連続傷害事件との関わりを探るのだった。『吸血鬼』事件の全容は次第に明らかになりつつあった。達也のヒントと幹比古の古式魔法によって、『吸血鬼』の正体が『パラサイト』と呼ばれる『魔性』であることを突き止める。しかし、別次元から意図せずに招かれたその『来訪者』は、ついに魔法科高校に襲来する。その『吸血鬼』の正体(宿主)は、意外な人物で―!


 カラーにあるこの世界の世界地図を見ると、日本がぼっちだな、というかよくこの立地で併呑されなかったなと感じる(笑)。現在1カ国でこの世界でも1カ国なのってトルコ、カザフスタン、モンゴル、日本、オーストラリア、イギリスなどごく少数だなあ。
 雫の夜着ネグリジェのイラストがかわいいしエロくていいね!しかし、レースやドレープがふんだん云々とあるのに、イラストでは随分シンプルというか、ぎりぎりでしか隠していないかなり危険な格好に(笑)。そして、呂律が回らなくなっている描写が加筆されている、しかし、これに限らず書籍化してそうした女性キャラの可愛らしさを強調するような場面が結構増えたな。
 スターズの隊員は上から一等星級、二等星級、星座級、惑星級、衛星級と分類されているようだが、星座の位置がそこなのはなんでだろう、理由があるんだろうがわからないな。
 ミアが吸血鬼だと知ったときの、リーナのリアクションがイラストで描かれているが、それがなんかギャグ漫画の一コマみたいで笑える。だって顔の半分に影がかかっている上に目を見開いて、更に口が半開きになっているの加えて強調線までついているのを真正面から描いているのだから明らかに笑わせにきているだろう(笑)。しかし、吸血鬼になったミアの再生能力をみて、リーナやエリカが「治癒魔法!?あの傷を、一瞬で!?」とか「どうやら本物の化け物みたいね」といっているが、こういうさりげなく達也にまで流れ弾が飛んでいっている台詞は面白くて好き(笑)。
 幹比古は美月がリスクを負って、吸血鬼の場所を特定しようとする覚悟を述べた言葉をいったのに、そういう自分は才能の付属物だというような(というか、魔法の才能を持ってきたのなら生かすべきという)考え方は代々魔法で糧を得ている魔法師の家に生まれた人間が持っていればいいもので、美月のような普通の家の出の子が持つ必要がないものなのに、と思っているが、そういうのはずいぶん貴族的な考えだな。
 一科生と二科生は昇降口まで別とは!そこまで徹底して区別しているのか。
 達也は自分の気持ちを再び聞かれないために、プレゼントを用意したり小細工した行為は、ほのかの心を弄ぶもので自らの行為を「人でなし」のものだと罪悪感を抱いているが、正直現実にはもっと自己正当化のみに腐心して、人の心をどうとも思わない人がいるし、あまり自分のことは卑下しないで、といいたくなる。というか、このシーンはひょっとして最近の鈍感系主人公への皮肉だったりするのかな。
 200ページの挿絵で髪を下ろしたリーナが描かれているが、下ろしたほうが美人だし好み!
 リーナと司馬兄妹、一度ずつ殺し合いをしたのにお互いを親しいと感じているという事実には殺伐とした人生を送っていることが良く現れている。しかし、リーナが達也に義理チョコを渡せなかったことについてぐだぐだと考えているさまを見るに、多くの金髪ツインテのキャラの例に違わず、やはりリーナもツンデレであったか。
 深雪、もし妹でなかったら、という心情がここで垣間見えたということは、もう最終的に深雪ENDになる以外の図が見えないなあ(笑)。
 千葉修次は「この場は僕が引き受ける」といったが「僕も戦います」的なことをいうかと思ったのに、達也は「ありがとうございます」とそのことをあっさり受け入れて、肩透かしを食らったというのは可笑しい(笑)。