ダチョウは軽車両に該当します

内容(「BOOK」データベースより)
県民マラソン大会のコースを駆け抜けてくるのは「ダチョウだって?」―そして発見された焼死体。捕獲したダチョウと被害者とをつなぐものとは?キリン飼育員・桃くんにツンデレ女王・鴇先生、変態(?!)・服部くん、アイドル飼育員・七森さんら、楓ヶ丘動物園の怪しく愉快な面々が活躍する動物園ミステリー第2弾!

 読み始めてから、このシリーズの登場人物の名前とかキャラクターについて、鴇先生以外すっかり忘れていたことに気づく(苦笑)。たとえば服部のような、金持ちであり、なおかつ主人公が苦しむさまや困る姿を見たいと公言している変態というかなり個性がある人物のこともすっかり忘れていたのは我ながら大概。まあ、どうも会話からすると、金持ちであるというのは1作目では匂わせていた程度で、今回の冒頭のような派手な場面はなかったっぽいが(憶測)。
 鴇先生のダチョウを捕獲するときの迷いのない動きは格好いい、語り手の桃本のように捕獲しようとしてダチョウにするりと逃げられないのはスゴい。他にも、拉致しようとしてきた謎のチンピラ3人相手の立ち回りでも、1対3で圧倒するなど見事な動きを見せる。
 鴇先生の元彼結城氏登場、自分でも後悔しているようだが、本当に何でこんな性根が悪い男に引っかかったんだろう?
 しかし、このシリーズは登場人物が危険な目に遭うなあ、たしか前回は自ら突っ込んでいった部分が結構あったと思うが、今回は危険な状況に陥ってしまっている。
 七森さん、監禁されている桃本や鴇先生を助けるためとはいえ、躊躇なく車で扉をぶち破るとは、一瞬それをやったのは服部か、と勘違いするような行動だったから意外(笑)。
 しかし服部、桃本のベルトにGPSを付けるって、結果的に助かったけど、とんだ常識知らずだなあ。
 注にあった『鳥が首をかしげるのは、目のついている位置関係上、そうしないと対象を立体視しにくいからだと考えられている。つまり「考え込む」のではなく「目を凝らす」に近い行為。』(P135)というトリビアはちょっと面白いな。
 あと、『動物園の飼料室ではマウスやラット、それにミルワームやゴキブリといった動物たちを飼育・繁殖させている』(P150)ということにはゾッとする。だってGだよG!しかし、これくらい知りたくなかった事実はなかなかないなあ。
 服部の飼い犬ディオゲネス(大型犬)、前の飼い主に無視されていたせいで肩にしがみつくというような変な癖が染み付いてしまっていた。服部がこいつを飼っている理由って、ひょっとしてこんな変なところが気に入ったからかな、と想像してしまう。流石に、もし桃本と引き合わせたら、迷惑そうにするだろうからそれを狙って飼っているわけではないだろうし(でも0とは断言できない、桃本への謎の執着ぶりがあるからな〈笑〉〉。
 しかし犯人の屁理屈さと、自分の行動の正当化には閉口。あと、真相がわかってから冒頭を見ると、そんな怖い会話だったのか!
 それと服部君は桃本の苦しんだり困る姿を見たいと公言しているが、一体桃本(語り手)の何が服部君(変態)を惹きつけるのだろうか(笑)!