新約 とある魔術の禁書目録 8

内容(「BOOK」データベースより)
全世界を、陰から操る『グレムリン』。その科学と魔術の融合組織が起こした様々な『脅威』―ハワイでのテロ行為、バゲージシティでの『実験』、学園都市に眠る『不死の存在』の奪取―には、全て理由があった。『グングニル』。魔神オティヌスの最終目的であるその神槍製造を止めるため、『魔神になり損ねた男』オッレルスは、姿形を雷神トールと偽り、『グレムリン』の本拠地・サルガッソーへ侵入、調査を開始する。世界崩壊のカウントダウンは、間近に迫っていた。ところで学園都市の落ちこぼれ生徒・上条当麻といえば、彼が朝自宅で目覚めたら、レイヴィニア(幼い少女)にレッサー(エロい少女)が同じ布団に入っていた。最新刊登場!


 垣根さん、どこまでも道具にされる宿命を背負っているのね(笑)。
 序盤は上条さんの日常パートが久々にあって、シリーズ初期のノリでそうしたシーンはとても面白かった。そこに御坂やインデックスが登場したというのもより初期らしさを感じさせてくれて、原点回帰って感じでなんだか懐かしかった。また最近日常パートがほとんどなかったこともあって、より一層楽しめた。しかしインデックスがまともに登場するのはめちゃくちゃ久しぶりなような気がするなあ。
 インデックスの口撃(物理)、上条の想像とはいえ「ぐちゃ」とかエグい音をさせているな(笑)。しかし彼らにそうしたテンプレがあったことを長らく忘れていたが、そうした冒頭の上条の想像を読んで久々に思い出したわ。
 バードウェイにまでその頑強さについていわれているのを見ると、もう本当に上条さんの頑丈さには何かしら理由があるのではないかと疑ってしまう。しかし包帯巻けば何とかなるなんて寺、、…じゃなくて、上条さんってすごい!
 食蜂さんと上条、ついに御坂に「妙な因縁とか持っていないでしょうねーっ!?」と突っ込まれたか、それは実際どうなのか気になるなあ。
 「インデックス、人の後頭部に噛み付く口を体の支えにするんじゃねぇ!今日という今日こそ俺の頭皮を噛み千切る気か!?」(P73)しかし口だけで捕まっているとはインデックスの歯も相当に頑丈だなあ。
 特に意味もなく挿入される水着の買い物パートとか、こうした息抜きパートが入るのはもう相当久々な感じがするなあ。しかし御坂が選んだ水着、偶然気づかなければ買っていたのだから、相当高度なトラップであるな(笑)。そして、そうした特殊な水着は学園都市特有のもので、そうした水着の種類を表す外では通用しない特殊な用語があるとか能力的な意味で変態を作っているだけかと思ったら、そういった意味でも変体培養施設だったのか(笑)。
 カラーイラストでも書いてあるシーンで、御坂とインデックスは上条に頼りにされることを熱願していたから、実際頼りにされた今もう何も怖いものなんてないという心情になっているのは、下手すればフラグっぽくもあるのだが、もうこれで勝たなきゃ嘘だろって自然に思えるほどのいいシーンだ。
 しかしインデックスの服はいまだに安全ピンで留めているのか、もういい加減縫い合わせるとか何とかしたほうがいいんじゃないかなあ、だって1巻からだから小説何十冊分、安全ピンのままなんだよという話ですよ。
 雲川鞠亜が、木原加群の死して利用されたとしても自らの信念を曲げられぬように遺志を込めた彼自身の身体を見て、憧れの人の不完全さと不器用さを見るが彼の在り方、本質に触れられとても幸福に思い、もはや意思を持たぬ彼の身体に声をかけ、彼の死を静かに実感しながら隣を歩むというシーンは、2人の後姿のイラスト含めてとてもいいなあ、背筋がゾクゾク震えるほど感動的。
 オティヌス、弱体化してもなお世界を滅ぼしうる力を持つってどういうことなの!最後ホワイトアウトからの暗転だから、果たしてどうなったのかな。しかし次回まで、この巻の引きがこんな危機的状況であることを覚えておけるのか自信がないわ。