アクセル・ワールド 16


内容(「BOOK」データベースより)
囚われのニコを必ず救い出すと約束したハルユキは、大天使メタトロンの加護を受け、タクム、チユリ、そしてブラッド・レパードとともに加速研究会の本拠地に突入、幾多の障害を乗り越えて、バイス、アルゴンと対峙した。ついに激突する両陣営…と思われた瞬間、突如空から降り注いだ謎の赤い光によって、“災禍の鎧”マーク2が誕生する。最凶最悪の力を持つ“鎧”によって、絶対絶命の際へと追い詰められるハルユキたち。しかしその時、メタトロンと完全にシンクロしたハルユキは、時間の静止した世界へと導かれる。全てを知覚することが可能なその世界において、メタトロンは語りはじめる。ブレイン・バーストが作られた理由。そしてバーストリンカーが存在する意味を―。

 長かったISSキット編もようやく一区切りついて一安心。そして次回は「明るめ」の話となるようなので楽しみ。告知ページに「アクセル・ワールド」の次巻についてはかかれてなく、「絶対ナル孤独」という新シリーズについての告知があるため、次回を見るのは大分先のことになりそうなのはちょっと残念だ。しかしこれでプログレッシブも入れると4シリーズ目か、どれも終わらせないでそんなに新シリーズばかり増やしているので不安だ。
 ISSキット、現実世界にまで影響を与えて、「周囲に隠せないレベルで人格が変化」させるということは怖い。そんなものを広めたり、ただ加速世界の強さのためだけに受け入れたりするのが恐ろしい。しかもマゼンタ・シザーはそんな副作用を知っていながら、走行を切り裂きキットを無理やり寄生させたりしていながら、自分のしてきたことは愚かな行為だったのかもと感じて、いや違うと反発せずにあっさりと受け入れているのは、自分の仕出かしたことの重さをいまいちわかっていないからなのか、その重さを受け入れての改心なのかで印象変わる。けど、前者っぽいなあ、残念ながら。
 メタトロンの話のおかげで色々とわかったことも多かったが、あっさりと彼女が退場していったのは、かなりショックで、そんなにあっさりと情報を渡したからお役ごめんとばかりにキャラを捨てる作者さんだっけっと疑問符が浮かんでしまったが、その後彼女が復活する兆候がなくして現実世界に帰還してしまったので、メタトロンの死亡が本当のことなのだと諦め、凹んでしまっていた。それに文化祭での生徒会の展示を見て彼女の生きてきた年月の長さを知り、また一度失われたエネミーは同じ存在としては蘇らないという事実を思い出したことで、彼女が復活しないのは仕方ないのかと自分で自分を納得させていた。しかし最後の最後でメタトロンが復活したのは本当によかった。メタトロンの核がクロウの中に残っていたということで復活したが、それがたとえご都合主義的だろうが、なんだろうが、メタトロンが復活したのは純粋に嬉しいよ。
 そういえば綸、アッシュさん、を助けるために無制限中立フィールドでバトルしていたのだということを、もう何巻も前の出来事だったから、彼女の元へハルユキたちが向かうまで思い出せなかった(苦笑)。
 大海ステージではアバターは水没するということだから、そういうステージでは敵は水面の下にいるから、クロウは羽を有用に使えないだろうから、彼は苦手そうなステージだな。
 ハルユキとタクムが、文化祭の着せ替えプログラムで布の面積が小さい動物のコスプレをさせたチユリと先輩の写真は消去されたが、その写真の復元が出来そうかについてこれまでになく真剣に語っているのをみて、彼らの中学生らしさを感じて、笑えると同時に微笑ましく思った。
 今回は結構新情報が出てきたが、加速研究会のトップで七王の一人で黒雪姫の姉という白の王がラスボスと判明して、対加速研究会と白の王と黒雪姫の因縁が合わさって、敵が統一されたので、だいぶこの後の展望がすっきりと見えた印象。あとは彼女を打倒する戦いを終えたら、その後に今回明かされた謎めいた帝城に突入してこの物語も終わりとなるのだろう。