オーバーロード 6

オーバーロード6 王国の漢たち[下]

オーバーロード6 王国の漢たち[下]

内容(「BOOK」データベースより)
王国に潜む裏組織“八本指”最強の戦闘集団“六腕”が動きだした。迎え撃つはラキュース率いるアダマンタイト級冒険者“蒼の薔薇”。騎士たちは国を姫を守るために最前線へと赴く。その決戦の渦中に蠢く謎の大悪魔ヤルダバオト。苛烈な抗争の渦に巻き込まれ、王都が紅蓮の炎に包まれる。ドラマCD付特装版。

 ドラマCD付の特装版を購入。今回は新規のシーンが多かったので楽しかった。そして巻末の次回予告を見ると、帝国との接触についてはあまりweb版から大きな変更がなさそうなのは、そこで仲間になるある人とアインズの邂逅シーンでその某氏が興奮している場面は大好きなので、そこがweb版と変わらなさそうなのは嬉しいな。
 「蒼い薔薇」のメンバー全員が金髪なのは結構意外だったな。
 しかしセバスは、ツアレに普通に恋しているっぽいのは、外見はともかく精神的にはまだまだ成熟からは程遠いということか。他のメンバーもそうだから、そうした点がいずれネックになりそうな予感がするなあ。
 アルベドがぬいものを作っているけど、それはできるのに料理が出来るのは限られているとかよくわからないなあ。web版のゴブリン連中を見ている分では単純にやっていけば覚えるという風でもなさそうだし、いまいちわからないなあ。そしてアルベドはまた不穏な空気をかもし出すねえ。なろうの活動報告で彼女が敵になる可能性(あるいは不作為によって何らかの害をもたらすのかもしれないが)もほのめかしているし、一体どうなるんだか。
 しかしアインズは、相手が知っていないにせよ「アインズ・ウール・ゴウン」の名を出して保護した者を害するものに対して怒りをあらわにしているシーンを読むとちょっと主っぽくなってきたと感じるね。
 ブレインが前回の娼館襲撃が終わった日の夜の、ガゼフとの会話はいいね。この2人の会話は好きだなあ。
 しかし書籍版から登場してきた王国の第二王子殿は、レエブン公が両派閥のバランスを保っている、王派閥の影のトップということに気づいていたとは、中々に有能な御仁のようだな。
 ラナーの頭脳は、人という種に限定しなくても彼女の頭脳に並び立つものは極小ということで、ナザリックではアルベドデミウルゴスが五分というのは、ラナーのやばさはweb版でも重々承知しているので、逆にその2人がラナーレベルなんだと2人のすごさが際立つ。というかアルベドに智謀のイメージがデミウルゴスに比べてないのでちょいと意外だ。というか、その片割れが不穏な雰囲気をかもし出しているというのは中々にやばいな。
 アダマンタイト級の戦闘能力を持つ、八本指の六腕とセバスが戦ったときに、彼ら一人一人のすごさが説明された後、セバスが一瞬で倒すというパターンが繰り返されて笑った。そしてそんな圧勝なのに、『数が多く、さらに全員強敵であったため、手加減をする余裕がなかったことを少しだけ公開しております』なんてことをしゃあしゃあと抜かしているのはよく言うな(笑)。
 アインズは、著者のなろうでの活動報告に書かれていたように、登場シーンは盛り上がるけどそこが山となって、後はだんだんと下がっていくから、そういう点が個人的にどうもアインズが居ないほうが面白いと思えてしまうのかなあ、主人公なのに。
 フールーダは一家を成してもなお、求道者として自分より強いものに支持したい、後進を育ててその中から自分を引っ張ってくれる人を得たいと思うほど、ただひたすら魔術の道に貪欲なのは格好いい。彼のように何百年も生きているのなら、普通の人よりもいっそう一番で居たいという気持ちも強くなりそうなのに、老いても(長い間生きても)なお向学心が旺盛なのは素敵だ。
 イビルアイがちょろすぎて、読んでいて恥ずかしくなってくるから、思わず声を出してその恥ずかしさを発散しようとしてしまう(無論家の中ですよ)。おかげさまで読むペースががくんと下がった(苦笑)。
 しかしデミウルゴスヤルダバオト)とアインズ(モモン)の三文芝居は、イビルアイが目の曇っていなければ怪しまれたことだろうと思うほどの中々の不自然っぷりで、結果オーライだけど、バレる危険性が高い危ない橋を渡っているのでちょっと冷や冷やした。
 そしてアインズさまはいい加減知ったかをやめようよ(嘆息)。
 ブレインは中々に悪運が強いねえ。そして前回、今回とまるで主役のような役回りだ。
 今回のヤルダバオト騒動でどさくさにまぎれて色々と強奪したから、金銭的に潤うということなので、今までアインズが金回りに頭を痛めていたから、心配事がひとつ晴れるというのはいいことだ。
 本来はメインイベントとなる冒険者最強と悪魔の首魁の一騎打ちは芝居だから、全く盛り上がらないけど、悪魔対冒険者の首都決戦で色々な場所でブレインやラキュースなどが戦っていたのは面白かった。
 しかし今回の悪魔たちは魔将たちが召還したモンスターばかりだから、ナザリックの損失は0ということなのもいいが、配下のモンスターが召還したモンスターたちだけで、一つの国を半壊させられる一つの軍勢が作れるとは驚いた、どうもナザリックの戦力の厚さは想像以上のようだな。
 ヤルダバオトが高レベルアイテムの存在を狙って来襲したと口にしたが、ラナーはそれが意図的に情報を流して、王国の人間にその存在を代わりに発見させることを狙った言葉だと考え、そのアイテムを秘密裏に処理しようとした。というのはいい勘しているのだが、その考えにいたるのもデミウルゴスの想定内というか、そう考えているのも狙って、その発言をしたのだろうな。ラナーも流石に全部を見抜けるわけではないと、今回のラストで知って、どこまでも見通せる恐ろしい敵だと認識していたから、なんだかホッとした。
 ラストでナザリックが八本指という組織全部を納める展開になろうとは思いもしなかったが、それは面白い展開で、ナザリックの外部の組織が色々と広がって情報網も同時に広がったと思うので、その組織を手に入れたことは金銭的にも情報的にも有用だろう。まあ、なんにせよナザリックがより磐石になりそうなのは良いことだ。
 「ドラマCD」アウラ「コキュートスは全裸だものね」コキュートス「かんべんしてくれアウラ。そういわれると、変質者っぽくて嫌なんだが」
 コキュートスまでアインズさまの添い寝権に反応してアレコレ言っているのは笑う。そして添い寝の話のときのBGMが無駄に壮大なのにも。そして添い寝の話でチャプターまたいでいることも笑う。
 トーケル「ナーベさん、あなたが好きです。」ナーベ「私はあなたが嫌いです」(食い気味で)、そして風の音という流れはベタだけど笑った。
 アルベドの声が一瞬、「ログ・ホライズン」のマリエールっぽく感じて、ちょっとググッてみたら、実際に当たっていたので自分で驚いた。
 今回の終わりを見ると、結構な未来でも、少なくとも冒険者モモンの信頼が失墜していないようだから、少なくとも一般には正体がバレたりしていないようだな。