僕と彼女のゲーム戦争 4

内容(「BOOK」データベースより)
前回の雪辱を果たそうと、ライバルの駿河坂学園電子遊戯研究部から挑戦状が届く。部長・天道をはじめとした現代遊戯部の面々は、その挑戦を喜んで受け、決戦へ向けて動き出す。岸嶺も猛特訓を始めるのだが、思うように上達しないことに不安を覚え、ある決心をする。それは、強者どもが集まるというゲームセンターでの武者修行なのだが…。


 今回は悔しさを味わったことで努力、特訓をするというやたら熱血というか王道なストーリーだね。口絵の天道あざといなあ、しかしこの格好でゲームをしているって一体どんな状況なんだ。
 しかし白滝、ゲームセンターに岸嶺に一度悔しさを味わわせ、彼が特訓する契機になったり、実際に大会で再び顔を合わせたときの会話や大会での対戦など、そうした関係性的にはある意味一番王道のヒロインって感じのキャラだな。
 冒頭、駿河坂の部長の一条は成績優秀だけどテストが終わって上機嫌になるとか、前回も思ったが彼女らはお嬢様たちだけど伊豆野宮の人たちと違って、高校生らしい部分があるのがいいよね。
 岸嶺が冒頭では格闘ゲームをガチャガチャと素人っぽくやっているのに安心してしまう。今までの彼は対戦ゲームでも大会に出てくるような上級者たち相手に引けをとらずにしっかりと戦えていて、見せ場も作っていたのでまだあまり手をつけていないジャンルもあるとわかりなんだかホッとする(笑)。
 格闘ゲームというのは非常に大きなジャンルだけあって、今回は格闘ゲームの用語の説明がかなり多いな。どうもゲームをあまりやらないし、格闘ゲームも苦手意識があるから、というより何年もやっていないから、いまいち用語が頭の中に入っていかない(苦笑)。なにせ格闘ゲームでカウンターをするとダメージが多くなるということについてもそんなものがあるんだと感心しているくらいだからね。
テンキーや電卓の数字の配置で右上、左下などでレバーなどを動かす位置を「2・1・4・2・1・4+P3」のように表すというのははじめて知ったけど、ちょっと面白い。
 瀬名先生はともかく天道まで「初心者相手に格ゲーをやるとストレス解消になる」から、ぜひ岸嶺の相手をしたいとアピールしているのがちょっと意外だった(笑)。
 権田原、上司がミスをしたのに取引相手には新人がやったというほうが会社の信用的にはいいから、泥をかぶらされて上司とともに土下座させられたというのは可哀想。しかもそれを頼むときの文句が「査定には絶対に響かんようにするから」というのは、当然のことを報酬のようにするのはいかがなものか、泥を被ることで逆にプラスに査定するというのなら頼む文句に使えるが、「響かないようにする」というのは頼み文句に用いないほうがかえって印象がいいと思うが、相手の不安を除くために「響かないから」と断言するとかならともかくねえ。しかし宵闇の魔術師でなく権田原パートは世知辛いし、切ないなあ。
 岸嶺が宵闇の魔術師のことを地の文で「真っ黒なコートを着込み、いかにも熱が籠もりそうな長髪のカツラをつけた人物」と表現しているが、彼のカツラって人目見ればカツラとわかるようなものなのか。まあ、カツラに多くの費用を費やしているとは、彼の仕事を見ると思えないし、持ち歩いているのだからそんなに高価なものでもないのか。
 岸嶺は、権田原が提案した格闘ゲームのレッスンプロに教えてもらうのに、その対価としてお金の代わりにゲームのテストプレイを後ですることを承知したが、そのうちテストプレイの話も詳細に書かれそうなのでかなり楽しみだ。
 1フレームの世界がゆっくり見えるって、それは流石に吹かしか、それとも経験の蓄積によっての脳内で近未来を瞬時に思い浮かべられるみたいなことかなあと思っていたらキャラ付けかい!
 しかしプロに直接レッスンを受けたということを部員に話せなかったから、後にそのプロの彼女のことでまた岸嶺が浮気男のように鷹三津や鈴鹿相手に弁解することがくるのかなと思っていたが、あとがきで実在のモデルがいて、実際にレッスンをつけてもらったということなので、流石にそれなのにヒロインになることはないだろうから(ないよね)、そういう展開はないかな。
 岸嶺、天道が鷹三津は声優であることを気づいていることに気づいてなかったのか、前回君の前で言ってたじゃない、まあ、鷹三津の下着姿を見てしまったということで動揺して気づかなかったのかな。しかし鈴鹿も彼女のことを気づいているのになんで瀬名先生は気づかないんでしょうかね(苦笑)。
 一条の宣戦布告に対して、天道は当日に練習が足りてないから2、3回戦いければいいとこだという冷静な予測を、虚勢を張って決勝までと言うのではなく、特にすまなそうに言うのでもなく素直にそれを話すのは素敵、天道は王道展開が好きな割にこういうのはのってこないのね(笑)。
 しかし岸嶺以外の3人は緊張とは無縁で大会でも緊張しないというのはすごいわ。あと駿河坂の一条部長、天道に勝ったら「ほーっほっほ!」と笑って喜んだりと、まあ、勝てるゲームということで書くゲーの大会を選んで挑戦状を贈る時点でそうなんだけど、とても小物っぽい感じだなあ、最初に出てきたときからそうだったのだがこのまま小物キャラなのか、彼女は。
 しかしゲーム暦浅いのに極限まで集中して時が遅く感じるという体験をもうしてしまうとは岸嶺って本当にゲームに適している体質だったのね。
 そして本編最後で、今後は高校ゲーム部の横の繋がりも書いていくようなので楽しみ、それにチーム線は高校とかそのくらいのチームも多いから、ここから他にもライバルチームがでてくるのかな。
 そういえば今回は意外にも恒例だった下着シーンなしか!
 今回も2巻に続き、巻末におまけが付いているが毎回マニアックでさっぱり理解できないわあ。