僕と彼女のゲーム戦争 ゲーマーたちの日常


内容(「BOOK」データベースより)
私立伊豆野宮学園には、現代遊戯部という名の部活動が存在する。表向きは現代の遊びを研究するための部活だが、その実態はゲームで真剣勝負するための部活だった。あるときは部員同士で、またあるときは他校のゲーム部と、彼らは日々熱い対戦を繰り広げる。ゲームメーカー公認!「電撃文庫MAGAZINE」に掲載された短編に、書き下ろしの『グラディエーター』短編を加えた、計5つのエピソードで描く特別編、ここに開幕!

 シリーズ初の短編集。前巻が出た後に、前巻まで一気読みしたので発売して直ぐに買うのは初めてだな。
 カラーの天道のベッドでの姿はエロくていいなあ。
 扱っているゲームは短編で、日常編だけど基本的に本編のゲームの試合でも使われそうな感じのものが多くて、もうちょっと緩いパーティゲームとかレースゲームとか(天道がたまに言っているマリオカートとかスマブラとか)本シリーズでは今まであまり扱われてこなかったものが今回登場するのかなと思っていたけど、思ったよりもいつも通りでFPSとかTPSとか今までも本編でやっていたジャンルのゲームが多い。まあ、前巻にやったシヴィが4と5で違えども今回もやっている(というか時系列的にもシリーズのナンバリング的にもこの間収録の短編のほうが前だが)ということが一層その印象を強める。
 巻末の1篇を除いて雑誌に掲載されていた短編をまとめたものだから仕方のないことなのかもしれないけど、毎回岸峰だったり伊豆野宮学園チームが勝っているので、もう最後が決まりきっているように感じて、いまいち戦闘シーンに緊張感が生まれないなあ。まあ、あくまでも日常だから、JGBCよりも緊張感が少ないのは当然だとしてもね。
 岸峰が「毎日のように行われるゲーム勝負の勝率は随一なのである」(P34)というのもそんなイメージがなかったので甚だ意外。そして実際の今回の短編では岸峰がゲームに取り込まれるくらい集中して、周りが見えなくなって、ゲームの主人公と自分が一体になるような能力は一回も発動しないけど、それでも個人戦でも勝っているので本当に強いんだと思って、ちょっと岸峰のイメージが変わったな。今まで普段はあまり強くないけど、そういった能力発動時に爆発的に強くなるというのだと思っていたが、安定的にそれなりの強さがあるんだね。
 しかしシヴィ4での岸峰の立ち回りを見ていると、人畜無害なようだが案外謀略家の適正があるというか、謀略気質というか、他人と共謀して騙すことを普通にしてのけているな。シヴィの対人戦での戦闘は長引くということだが、ゲーム内の年数だが1000年も途切れずに戦争しているというのは、その数字の壮大さに思わず笑ってしまう。
 シレンの対戦は、ターンごとの間が面倒くさそうでいまいち面白く見えなかったかなあ。
 『最近のゲーム機はネットに接続するとフレンド登録していた相手がなんのゲームをやっているかが直ぐ分かる』(P122)というのは、最近ゲームやってないからへえと感心した。まあ、なぜゲームをやっていないのに、このシリーズ読んでいるのかは自分にも良く分からないが(笑)。
 ガンダム・オンライン、名前は聞いたことがあるがTPSのゲームだということは知らなかった。というか、こうした三次元に動かしてオンライン対戦できるゲームが基本無料というのは最近は進歩しているのね。
 駿河坂と結構頻繁にオンラインでゲーム対戦をする交流があるようで、伊豆野宮と駿河坂は思った以上に交流が深いのな。