ノーゲーム・ノーライフ 2

内容(「BOOK」データベースより)

ニートでヒキコモリ、だがネット上では都市伝説とまで囁かれる天才ゲーマー兄妹・空と白。“神”を名乗る少年に“ゲームで全てが決まる世界”に召喚された二人は、またたく間に人類種の王座につき、異界の知識で内政を固め次の獲物を狙っていた。『東部連合』―世界第三位の大国。獣人種…つまり獣耳少女の国。「よしそれだその楽園は俺のもんだ獣耳っ子達を征服しに行くぞッ!今!なう!」「心が読める相手にどうやってゲームする気ですのよ!落ち着きなさいな!!」ついに異種族とゲーム開始―。“最も新しき神話”の人気ファンタジー第二弾。


 1巻が面白かったので、間を開けずに続けて読了。
 冒頭から主人公兄妹は常軌を逸した一心同体ぶりを発揮しているが、こういうキャラは脇キャラでは見ないこともないけど、主役で見るのは初めてだな。
 木造のことを火に気をつければ「通気性、吸湿性、気温調整性、耐震性、耐風性すべてに優れる」なんて言っているけど、この土地の気候は知らないけど耐寒性はそんなにあるとは思えないなあ。まあ、なんのかんのと言い立てているが、結局のところ王としての生活というか豪華な洋風の生活に飽きて、和風の部屋でだらだらしたいと云うのが本音だろうが(笑)。
 ステフが空に盟約に従ってゲームを挑むが、もし勝ったら空は「真人間になる」という賭けの内容を提案するが、空はそんな手があったのかと驚愕して負けてみたくなっているのが笑える。というか、自分でそうした性格を治したいと思っていたのか、彼は自分の性格を肯定していると思っていたのでそこがちょっと意外だった。
 テトの挿絵を見てあれ、少年じゃなかったっけという疑問符が浮かんでしまった。しかし神様は男の娘というのも全然ありです。
 第一章の最初のページで『兄――空。十八歳・(悪いところを列挙)・ゲーム廃人。/妹――白。十一歳・(悪いところを列挙)・ゲーム廃人。/(一行空白)/……さよなら人類。/【完】』という唐突なボケには思わず笑ってしまった。
 しかしこの世界は、権利侵害に当たる害意のある行動はキャンセルされるため法律が形骸化したというが、この世界って普通に理想の世界ではないかと真剣に思ってしまうし、いくら考えても否定的な要素が、ゲーム戦争での領土云々というのが唯一アレだが、それ以外は悪い点が見当たらない。
 ステフが色々と運動していたおかげで帰属の反発を抑えていたというのを聞いて、空白兄妹は「ステフって実は……馬鹿じゃ――ない!?」ととても驚いているけど実際ステフは異世界から来たのだから味覚が違うかもということを誰にも言われずとも気づいているから間違いなくバカじゃないよ!ただ、ゲーム万能の世界でゲームがちょっとばかし弱いだけだよ!
 しかし種の運命を背負っているといっているが、もし国土をすべて失ったらどうなるのだろうか。殺生できないから、すぐさま種が消失するとは思わないし。うーん、子作り厳禁とかで数十年後に絶滅させるとか?それとも奉仕種族にでもなるのかね。
 人類種の先王、人類以上の知識を持った天翼種を取り込むためとはいえ、国内最大の図書館をかけて図書館後と善蔵書を巻き上げられたというのはドン引き。ステフの祖父阿呆すぎるだろ。いつかそういった賭けをしなければならない状況が来るかもしれないが、自らの知識をかけるとは外から見ればお笑いというか笑うしかないが、空のように自分たちに関係することとしてその事実を知ったのならギャグにもならんだろうな。というか、どんだけ負けまくって、奪われまくっているんだよ。というか、彼がもっと堅実なら領土的にも現在のように1回負ければお仕舞いみたいな状況ではなかったんじゃないか(呆)。
 ジブリールとのゲーム中の空、18禁のにギリ引っかからないラインのエロイ状況を無理やりでもひねって作ってしまう、あなたが好きです(笑)。
 しかし空白兄妹、勝つために臨死体験に陥るようなことでも平然とやるのがすごいわ。そしてそんな状況に陥って、体が動かすのが苦痛極まりないといった状況でも身体を戦略どおりに動かしているのも大概やばいというか超人だわ、いろんな意味で覚悟完了しちゃっているね、この2人。しかしジブリールとのゲームはスケールが壮大だったが、そのしりとりにあるまじき規格外のスケール感は面白かった。
 ジブリールとの勝負に勝って彼女を空白兄妹の下につけることに成功した後に、一気にヒロイン化しているが彼女が恋愛感情、というか性的な感情を持っているのはともかく、神を倒すという彼の言葉に共感して好意を持つことは理解できるので、少なくともステフよりもヒロイン化が自然だ。
 全人類種の命運を掛け金にして「これはゲームだぞ」と言い放てる空白兄妹は素敵だ。まあ、1巻で自分のみならず妹も賭けていたことからも、そういう性格だということは、空にとって「人類種」が妹以下ってことはありえないだろうから、わかっていてもこういう台詞を聞くと流石だとしびれてしまうね。
 獣人種の必勝のゲームのタネを暴いたので、この巻であっさりと彼らに勝利するのかと思っていたら、最後は何故か兄が消えたところを白視点で見て終わりか。うーん、サクッと勝利してこの巻と獣人種戦を終えると思っていたからちょっとすっきりしない終わりだな。
 「あとがき」の漫画のあとに、その漫画が実は奥さんが書いたものだといっているけど、言われなきゃわかんないよ!奥さんは絵を似せるのが上手いのか、著者の絵が特徴があるから似せやすいのか、そもそも作風が似ているのかどれだろ。