世界の国1位と最下位

世界の国 1位と最下位――国際情勢の基礎を知ろう (岩波ジュニア新書)

世界の国 1位と最下位――国際情勢の基礎を知ろう (岩波ジュニア新書)




内容(「BOOK」データベースより)

世界で最も人口が少ない国はどこ?最も食料自給率が高い国はどこだろう?…。面積、軍事力、貧困率、進学率など様々な分野における世界の上位と下位の国々を紹介。日本の状況を交えながら、その歴史的背景や社会情勢、課題をわかりやすく解説します。世界の大国と小国とを対比させながら学ぶ、ユニークな国際政治・経済入門。


 読書するジャンルが小説、ライトノベル、そしてノンフィクションと歴史という具合にだいぶ偏って、たまには他の本を読もうかと思ったが、買ってから普段読むような本とそんなに離れたものではないと気づいた。
 中国とチベットの関係について「確執」と表現しているのにはちょっと、ん?ってなったが、それ以外に特に気になった部分はなかったからよかった。日本の軍事規模がGDPの比率的に言うと、比較的小さい規模で抑えられていることもきちんと述べられているし。
 1970年には世界全体の出生率は4・5だったたが、2000年には世界全体の出生率は2・7となったように世界全体の出生率は年々低下傾向にあり、2050年には出生率が二・〇前後となる(二・一で人口が安定する)予測もあるとは知らなかった。なんとなく発展途上国出生率は高いという認識だったので、そうした人たちが増えていくのだから出生率もしばらくは増えていくと思っていたので、そう遠くないうちに人口が安定するレベルに安定するというのは予想外だった。
 韓国の出生率は、日本と同レベルというのは聞いたことがあったので、高齢化率が日本の半分以下というのはちょっと意外だったな。
 世界の主要国のGDPの推移の図で、インドが11、2世紀あたりまで中国を上回っていたことにちょっと驚いた。そして1820年以降の中国の没落ぶりにも。
 アメリカ経済は両大戦によって拡大したというイメージがあるが、実は第一次世界大戦前年の段階で世界全体のGDPの19.1%を占めており、次点の中国8.9%、ドイツ8.8%、イギリス8.3%と、2位以下の国にダブルスコアを差があったことは知らなかった。
 100人以上の軍人がいるアメリカの主要な基地は世界33カ国に存在するというのは、そのあまりの多さに驚くよりもあきれる。
 中国軍はここ21年で22倍に増加(本書は2010年刊なので、おそらくその時点で)ということで、大戦後からずっと強大ということではなかったことはちょっと驚きだ。
 世界一の石油の産出国が中東の国ではなく、ロシアだったことはかなり意外だった。
 主要な穀物輸出国はいくつかの国に限られるとか、そうした状況を読むと今までそんなに危機感を持っていなかったが、日本の状況って結構やばいのだなと認識を新たにする。