クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえはいすくーる

内容(「BOOK」データベースより)

骨董店「るるいえ堂」の店番をまかされている空手が特技の高校二年生、樋口さやか。彼女が転校した御津門学園に起こる怪事件の背後には宇宙的真実が…。「るるいえ堂」のメンバーや、新加入の女子高生、日野睦らの学園探索が今はじまる。傑作ホラーTRPG完全書き下ろしリプレイ。


 クトゥルフTRPGリプレイ。「るるいえあんてぃーく」の続編で、キャラも前作から引き継がれている。
 前作で永久発狂した「京」というキャラが、今回もNPCとして多く登場してシナリオに関わってくることになろうとは想定外だった。
 冒頭での学生探索者の創造というのは、どの時点で何が上昇したかということで色々と妄想が膨らみそうで楽しそう。TRPGをやったことないけど、キャラクターシートだけでも作って妄想を膨らませたくなってきてしまう。
 前回同様に毎回幕間での成長ロールもあり、冒頭にも前回の終わりから今回までの成長ロールもあるので、成長ロールを見る機会が増えて、成長ロールでパラメーターが上がるのはなんとなくいつ見ても楽しい。
 学校の水を飲んだ生で呪われて霊が見えるようになったという推理に対して、最近は水道水を飲む人はいないと他PLから否定が入ったのに対して、「佐々原」が僕は蛇口から水を飲んでいたけど、そうなんだといったのに同調してKPも僕も、と言うことで、水を飲んだことと霊が見えることの関連性をさりげなく否定したのはうまいな。
 NPCの小学生キャラと佐々原が水鉄砲を使ったお遊びの勝敗を、本筋とは関係ないが実際にダイスをロールして勝敗を決めていたが、能力知的にはそのNPCのが有利なのに2回連続で容赦なく圧勝で負かした佐々原には笑ってしまった。
 ミ=ゴバケツを求めた客に対して先に購入(というか辰巳にプレゼントされた)京の連絡先を渡すことを個人情報を理由に拒否していたのだが、その客についての情報はあっという間に探索車道氏で共有しているのと、それにたいして「さきほどお客様が個人情報がどうのとか言っていたのは、きっとボクの気のせいだろう。」というつっこみが地の文(というのだろうか、少し飛ぶときの説明の文章中のことは)にあって笑った。
 辰巳先生は前回の最後のシナリオから散々SAN値ががりがりと削られ、30以下の危険水域に突入した。正気度ロールの出目が悪く(成功率が1/15!)、SAN値的に優しい最後のシナリオを除いて、二桁マイナスの収支だったからなあ。
 まさか京が今回のシナリオのラストに大きく関わってきたり、彼女が永久発狂から治って、治った彼女は幼げだし、妄執からも解き放たれ幸せそうに見えるから良かった。しかし辰巳教授がこれで死んだら、今度こそ京は完全に壊れてしまうとKPに言われて、それじゃあ辰巳教授も探索者引退かなあと当人(辰巳教授のPL)も言っているのに、いなくなったら技能的に足りないからと、正気度30を切っている辰巳教授を引きとめようとしているのは、おい(苦笑)。辰巳教授も引退すれば綺麗に収まるというか、その後も幸せに暮らしましたというラストになるのに(苦笑)。なんとか、キャラロストしないように願いたいものだ。