カンピオーネ 2

内容(「BOOK」データベースより)

神を殺し、権能を奪いカンピオーネとなった高校生・草薙護堂。その自称愛人エリカが護堂の高校に留学、護堂との「親密な仲」を公言したことで、媛巫女・祐理や妹・静花も巻き込んで、護堂の平穏な日常は完全に失われてしまった。同じ頃、東欧の魔王・ヴォバンが来日。その目的は祐理!?神殺しが相撃つ熾烈な戦いの幕が、いま開く。


 感想を書くのをしばらく放っておいてしまったので、この巻にどんなエピソードが書かれているのかすっかり忘れているなあ。
 2巻にして対カンピオーネ戦。実はこの段階では、護堂は本人の供述通りの先頭は忌避するタイプの人間化と思っていたので、後に、何巻だったかは定かではないがエリカの言っている本当は戦闘好む人という発言のほうが真実に近いことを知りちょっと驚いてしまった。というか、それまで適当なことをいって、彼を戦いに駆り出そうとしているのだと思っていて、反感を抱いていたので、その発言ゆえにエリカにあまり好感を抱いていなかったので、それがわかったときは、いたく反省させられたよ。
 冒頭の「三匹の子豚」という民話は、カンピオーネの一人であるヴォバンが150年前に起こした事件が語り継がれたことによって出来たという仮説があるなんて設定を疲労しているが、長年といっても現在から150年程度昔のことでは語り継がれたといわないだろうし、もし実際にそうだったのならば確信を持って言っているだろうから、なんでこんな中途半端な時代の事件にして、冒頭で紹介したのか良くわからない。ひょっとして何でも、彼のせいっていっちゃえばすむようなキャラなのかね(笑)。
 リリアナは魔術結社に属する騎士ということだが、魔術と騎士とはイメージ的に相反するものだから一瞬違和感を覚えてしまう。どちらも時代錯誤というか、中世的なものということでは一緒なんだけどね。しかし騎士でありながら主のヴォバンに忠誠を誓うのではなく、むしろ彼の行動が度を過ぎないように抑制する役目なのか。しかしリリアナは日本語が出来る人だったようだが、なんのために日本語なんて習得したのだろうか、正直魔術的に日本は辺境だろうから(想像だけど)、そんな言葉を覚えてもあまり駅がないのではないかと思ってしまうが。
 エリカは護堂の学校の同じクラスになぜかやってきてから、魔術を使って護堂の婚約者であるという関係がクラス公認となった。それなのに、「おれたちのエリカちゃんは、何であんなやつと!」なんて嫉妬全開な反応があるのか(笑)。そんなテンプレ的な反応があるのはいいんだが、魔術を使ったのにその反応があるのはちょっと不審に思った。特に説明ないけど、嫉妬力で認識を変えた魔術の一部の効力を覆したとかならちょっと笑えるが(笑)。
 甘粕は旧約聖書のエピソードを持ち出して、護堂に対して女で釣ろうという作戦を万里谷に話して怒られているが、忍者なのに聖書のエピソードを持ち出しているのが少し笑える。そして甘粕はそうした話を幾度か持ち出し、万里谷の護堂への行為を引き出し、それをつっこんで彼女を照れさせているのにはニヤニヤしてしまう。
 しかしエリカといい、万理谷といい、クラスメイトの男子諸君は草薙護堂を相手にとても嫉妬を包み隠さない言動や行動に表しているが、それが本心なのか、それともノリでそうしたロールを楽しんでいる(「リア充爆発しろ」みたいに)のかちょっと判断に悩む(笑)。
 護堂が万理谷に楽観しすぎといわれて、アテナにもウルスラグナにも本来なら負けていたはずなのだから今更だと答えたが、今まで大丈夫だから今度もというそれはまさに楽観だと思うから、万理谷の不安を払拭するためには何の役にも立たないな(笑)。
 甘粕はエリカ相手に5分も持たせることが出来るくらいには強いとは意外だ。存外強キャラだな。
 ヴォバンの下に居る騎士リリアナとエリカは案外、というか結構交流があるのね。生真面目なリリアナがエリカにからかわれているという関係のようだけど。
 リリアナの自作恋愛小説の存在を知っていることを口にした結果、何故かリリアナに味方してもらうことに成功した。ここで口封じをして敵対する方向にはしらない程度にはエリカとリリアナの仲は良いようだ(笑)。
 相変わらずキスシーンがかなり力が入っていて、いっそ戦闘シーンがメインというよりも、このキスシーンこそがメインで、このシーンを描きたいために戦闘シーンを書いているのではないかという気がしなくもない(笑)。
 護堂の群衆の心の声を聞き、雷を武器として操るという権能は、もろに元気球で笑った。しかしそうして群集の力(想い)を使って能力を強化できる権能も護堂はもっているのか。