RPG W(・∀・)RLD ろーぷれ・わーるど 14

内容(「BOOK」データベースより)

「ユーゴ。僕らの手で世界を救おう」ショウがそう言いながら眼鏡のブリッジを指で押し上げる。ユーゴとショウは、これまでの旅で出会ったかけがえのない仲間たちと共に、邪神ギャスパルクとの最終決戦に備えていた。これはもう避けることができない、世界を守るための戦い。すると突然、天に描かれている魔法陣の中央からひときわ巨大な雷が発せられ、大地の魔法陣の中央を激しく穿ち、真っ黒い、目も鼻も口もわからない巨神の姿が浮かび上がった。「―いこう。最後の戦いだ!」全ゲーマーにお届けする、どたばたRPG、クリアなるか!?


 今回で本編はラストで、次巻は後日譚と短編のようだ。
 ヴァイオンは普段は彼アホさに頭を抱えるが、最終決戦前のような誰もが緊張するような場面では、そのアホさが頼もしく思えるね(笑)。
 ラムダとその配下の餓狼団、死ぬ危険性が高い最終決戦に望む前なのに自然体で、しめっぽいことも弱気もまるで見せないやりとりは、彼ららしいし、こいつらの関係はいい関係だなと素直に思える。
 メルクリウスはこういうときまで中二キャラを貫けるというのは、彼もまた一本芯が通っているし、本物の勇気があるな。
 ラムダがショウにいっていてはじめて気づいたが、よく考えたら前衛ユーゴだけなのか。ゲーム知らないから確かなことはいえないが、中々いびつなパーティじゃない。それぞれ神の力を分けてもらって、それだということだから、そもそもに置いて前衛向きの神はユーゴに力を与えた神だけなのかな。そう考えたら、その神が七人の神の中で最も強い(うろ覚え)というのも納得だ。
 ギャスパルクが人間形態でおそらく創世神の姿だということは文字通り神殺し、唯一神に近しい創世神殺しとなるのか。そうならこれで勝利しても世界が無事で済むのか不安だったが、読み進めるとどうやらギャスパルクが神自身というわけではなかったようだから安心した。勝ってガイアには行かなかったけどこの世界は消滅したとかだったら後味悪いものなあ。
 パール姫はメタボに好意を抱いているようだから、いずれ彼にも春がきそうで思わず微笑を浮かべてしまう。いや、前々から好意を抱いていたという描写があったのかもしれないけど、前の巻を読んだのがしばらく前だから細かい描写についてはかなり忘れてしまっているから、今更かもしれないが、その好意を微笑ましく見守ってしまう。
 本気を出していないラスボスのギャスパルク相手に微々たるダメージしか与えられず、逆に相手からの攻撃は掠っただけでユーゴでも半分以上体力が持っていかれるという絶望的状況で、これは正攻法じゃ勝てないからどうなるものかと、最終巻だし勝つのは規定事項だろうけどちょっと不安になってしまった。
 リサがここで再度フィーチャーされて、彼女のギャスパルク内部での叛乱の貢献によって、敵を撃破出来るようになった。後に創世神ご当人からも彼女が勲功第一と認められるが、こうやってみると勇者たちよりも彼女の活躍が一番ギャスパルク相手に利いたこともあって、表での勇者たちの戦いが若干茶番に見えてこないでもないな(苦笑)。
 リサの内部からの叛乱によって、ギャスパルクの表情が穏やかな自愛の微笑から、鬼女のものに変わったという描写なのに、イラストが頭痛いくらいにしか感じられないのは、ちょっと(苦笑)。もっと極端に醜悪なものに変えてもいいんだよ。
 ショウが仲のことを良くわかっていないのに、ギャスパルクが一瞬リサの声で話したことで推察したが、案外その推測が正鵠を射ているのがちょっと笑える。
 一気にダメージが通るようになったこととショウが隠していた大技(一定期間全軍無敵化)を発動したことによってムードが反転してイケイケムードになったのは、それまで絶望的状況だったという反動もあり、読んでいてもちょっと心が浮き立ってくるね。
 なんかそういう教団側には変な出自の連中が色々といるから、なんだかこの世界の地球ではそういうのが普通なのかなと若干毒されていたが、地球の吸血鬼とかなんかはやっぱり普通に存在するというわけではなく、秘された存在なのか。
 謎のドラゴンロードって、途中からあれやっぱり違うかなという思いもよぎっていたが、最初の直感どおり、ユーゴの親父だったのか。
 ナツキ&ジローとリサ(幼児)は日本よりもこちらの世界のほうがずっと生きやすいのではないかと思ったので、わざわざ日本に帰るのは何でかと思ったら、ギャスパルクの遺体の跡から出てきたので、リサを邪心の生まれ変わりと思う人も居るようだから、その子供の安全を守るためにも日本のほうがいいのか。まあ、その決断が正しいもので、日本でよい生活が送ってほしいな、そうだったらいいな。