今さら聞けない科学の常識 うろおぼえを解消する102項目

今さら聞けない科学の常識―うろおぼえを解消する102項目 (ブルーバックス)

今さら聞けない科学の常識―うろおぼえを解消する102項目 (ブルーバックス)

内容(「BOOK」データベースより)

うろおぼえの科学知識って、意外に多いもの。「常識」と思われている内容であればあるほど、今さら人に聞けないものです。この本では、「自分でもはっきりと答えられない事項を選んで、自分の子どもにもわかるように説明する」という方針のもと、科学技術取材の第一線で働く記者たちが、読者と家族のために書いた懇切丁寧な解説が満載です。朝日新聞日曜版「緑のbe」の好評連載、待望の新書化。

 理系の知識は全般的に弱いのとそれを改善するために今から一から中学・高校の理系の勉強をやるのは面倒なので、このシリーズを読んで手軽にちょっと常識を身につけようかなあと思って読む。
 血液型はABO血液型だけではなく、その他にも赤血球に含まれる酵素、白血球や結成中にある分子の違いに基づく血液型が多数知られているというのは、それらが親子関係の鑑定に利用されてきたというとなるほど、それなら当然あるよなと思えるけど、それを血液型だとは思っていなかったので、通常のABO血液型だけでなく他にも血液型があると聞くとちょっとびっくりしてしまう。
 『DNAは、台所で見ることが出来る。/材料はスーパーで売っている鳥のレバーと潜在駅、食塩水、アルコール。すりつぶして、湯せんして、ろ過して、さまして、かき混ぜる。そんな手順を繰り返して、最後に現れる白っぽい糸状のものがそれだ。』(P42)そのようにDNAが目に見えるほどの大きさだということはちょっと意外だ、もっと小さな目に見えないものだと思っていた。しかしその実験は授業向けに考えられたそうで、授業でそれをみて感動する生徒も多いということだが、授業でなければ(DNAだと知らなければ)そうした糸状のものは寄生虫か何かだと思って気持ち悪いと思いそうだな。
 乳酸菌は生きて腸に届かなくても、その成分などで免疫が活性化して腸内細菌のバランスも良くなる。乳酸菌は生きて腸に届かずとも効果あるのか。
 「強飯」はおこわのこと。以前にもそうなんだと感心した記憶があるが毎回忘れる。姫飯が現在の普通の炊き方のご飯のことで、強飯は蒸して作るご飯ということは頭に残っているのだが、どちらも普通の米で作られたものだという先入観が根強く残ってしまっているので、強飯がもち米を使ったおこわのことを言うと聞くと毎回意外に思ってしまう。
 「2-10 あく」で鍋奉行、あく代官の説明のくだりは、あってもなくても変わらない場所に唐突に挿入されていて別の話題とも繋がらないという、筆者が言いたかっただけじゃないかと感じられる唐突な文章だからむしょうに笑える。
 古い蛍光灯で見られる黒ずんだ部分は蒸発したエミッター(フィラメントの表面に塗られた物質)などが付着して出来たもの、ゴミとかではなく使用しているうちに自然に出来るものなのか。
 松やには、現在は使われなくなった物質化と思っていたが、紙に松やにを含ませるとインクがにじみにくくなるため、新聞や辞書、グラビアなどの印刷にも松やにが利用されている。
 フロンなどの排出が段階的に中止されていることで、オゾンホールは2050年ごろに消滅するというのは、もっと回復に長くかかるようなものだと思っていたのでちょっと驚いた。
 震度については『米国や韓国では改正メルカリ震度階級、ヨーロッパ各国ではヨーロッパ震度階級(EMS)、ロシアやインドではMSK震度階級といういずれも2階級の震度が使われるなど、各国まちまちで、統一した国際基準はない』(P176)ということだが、震度自体はどこの国でもあるものなのね。よその国には震度がないとなんだか変な知識を持っていたが、それはなぜだろう。まあ、日本ほど一般的ではないということかな。
 かつては活火山、休火山、死火山と火山を三つに区分していたが、現在では「噴火した記録があればすべて、活火山とみなされる」というのは知らなかった。そしてその基準だと富士山も活火山。
 真空は完全に空気が何もない空っぽの状態でなく、日本工業規格(JIS)では「通常の大気圧より低い圧力の期待で満たされた空間の状態」と定義している。そのため、息を吸うと肺の内側は0.97気圧となるため、このときの杯の空間も真空といえるというのはかなりびっくりした。
 愛玩犬のチャウチャウは、本来は食料犬として中国で改良を重ねられてきた犬種というのはちょっと驚く。
 カビは土の中にも多く居て、そのカビがアレルギーや杯、皮膚などの病気の原因となるため、免疫の落ちた病人には注意が必要なため、「見舞いに鉢植えの花は良くない」とされる。いままで、単に根付く=寝付く、だから縁起が悪いから避けるようになった俗習かと思っていたので、合理的な理由があったとは知らなかった(か忘れていた)。