ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 2

内容紹介

大森藤ノ×ヤスダスズヒトのコンビが贈る
GA文庫大賞初の《大賞》第2弾!

「初めまして、白髪のお兄さん」
ベルに声をかけてきたのは、自ら《サポーター》を名乗る少女・リリだった。
半ば強引にペアを組むことになった少女を不審に思いながらも、
順調にダンジョンを攻略していく二人。
束の間の仲間。
一方で、リリが所属する【ソーマ・ファミリア】には悪い噂が絶えない。
その先には、人の心までも奪うとされる《神酒》の存在が──?

「神様、僕は……」
「大丈夫、ベル君の異性を見る目は確かなのさ。神のように、きっとね」

これは、少年が歩み、女神が記す、
── 【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──

 てっきり既に2巻の感想をあげていたと思っていたので、ちょっと前に3巻の感想をあげてしまったのだが、まだあげていなくてびっくり。1日に感想を何個も上げるのは、ここ最近1日1冊ペース以下なのでそのうち書くことなくなると思って躊躇していたのだが、こうした事態が起こるくらいには、感想がたまっているので、そろそろそういうことをするべきなのだろうか。
 このシリーズのように感想を貯めて数ヶ月以上経ってしまったシリーズは続刊が出ても続きを読むのに躊躇してしまうので、とりあえずこの巻と3巻の感想を書いて4巻以降も読み進めていこう。
 主人公のベルは最初よりもだいぶ強くなっているので、そうした成長が見られるのは純粋に嬉しいな。
 サポーターに収入の三割も払うとかぼられているので、他人の善良さとか常識知らずに付け込んでこうした不公正な契約を結ぶことに対しては嫌悪感を覚えるので、リリルカは最終的には改心しているし、今後仲間になる立ち居地ではあるけど好きにはなれないなあ。それから戦闘中に仕事はしていても「お強い」とかよいしょしているのも、どうも幇間的で苦手だ
 リリルカはサポーターの地位は低いことについて思うところがあるようだが、自分もサポートする人間相手にその持ち物を盗むような、職を卑しめるようなことをやっているのだから世話はないな。しかし、それがそうした扱いを受けるから意趣返しとか、そうでもしなければ食っていけないとかでそうした行為に出ているという面もあるだろうから、結局卵が先か鶏が先かという話だ。冒険者がサポーターに怪訝な目を向けたり、サポーターが窃盗や怠慢をやらかすこと、どちらもある意味合理的な反応となってしまっているのか。それを解消するにはサポーターに対する保護と、そうした窃盗への厳格な処罰や窃盗を起こさない構造をつくるような、根本的な措置によってしかその状態は一朝一夕にはかわらなそうなのが少し悲しいね。
 女神であるヘスティアがヒロイン以外の何者でもないな。主人公の憧れの存在の冒険者は、主人公との接触少ないし、恋愛フラグも立ってないから、そのままヘスティアとくっつけばいいのにと考えてしまう。まあ、ベルに上昇意欲をもたらしてくれたことは感謝するけど。しかし間章の扉絵でヘスティアツインテを止めて、そのまま流したヘアースタイルにしているが、ツインテキャラをどうもかわいいと思ったことがないので、常にそのままでいてほしいわ。
 獣人キャットピープルのクロエがベルの愛を巧手の面前で語っているが、それはシルをたきつけるための冗談なのか、本心も混ざっているのかどうなのかちょっと気になる。
ベルの憧れの人であるアイズがベルに償いをしたいといったら、仲間からそれなら膝枕でもしたらといわれて、よくわからないままベルに膝枕をしているが、酒場での出来事にもあるように冒険者なんて粗野な連中が多い家業だから、彼女がそのような浮世離れしているというか、俗っぽい恋愛の知識があまりないのは意外だなあ。耳年増でも可笑しくないのになあ、いや、でもだからこそ膝枕何ていう初心で直接的でないものと、そうした色恋みたいなものを関連付けることができないのかな。(P261おっ!)
 エイナは『一人じゃ困って困って困っていて、それでも何とか一人でがんばろうとしていて、結局最後にはとぼとぼと自分のもとにやってくるようなそんな人物。エイナもしょうがないなぁと笑いながら世話を焼き、二人で協力し合いながら築いていく、持ちつ持たれつの関係。』がいい、ベルみたいな人がいいということだが、なんだかこうした話を聞いていると一歩ずれると駄目男に引っかかりそうで心配だわ(笑)。しかしベルは、本人が誰にでも粉まいたりして恋愛しようとしているでもないし、何かをなしているでもないのに、いろんな女性に好意というか恋愛感情を持たれすぎで、すっごく違和感があるなあ。
 リリルカは自らが悪事をしておきながら、ベルだってどうせ事実を知ったら手のひらを返すのだとわりきろうとしているのは、あつかましいな。まあ、そうしたのは人間らしさでもあるが、善良なベルの不利益になりそうな話だから、こうやって感想を書く段階になったらともかく、読んでいる最中は同情しようと思わなかった。
 ベルはリリルカを最初に助けたときも、今巻の終わりで助けたときも「女の子だから」というあやふやな理由で助けているのにはちょっとげんなりしてしまう。もう、キミ、ヒモか女衒にでもなったら?(笑)
 ベルが彼女にやってきたタイミングは、最初は相手がいるうちにこいよと思ったけど考えてみたら、相手がいじめている最中にベルが来たらもし捕まえても、彼女を突き出すかどうかで脅されて金が戻っても、(ベルは殺せないだろうから)結局見逃した上で何か面倒なことになりそうだったので、そういう点では、結果として戻ってきたタイミングはベルにとってベストなものだったのかな。