ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 5

内容紹介

大森藤ノ×ヤスダスズヒトが贈る、
最強ダンジョンファンタジー、第五弾!

「リリ達は囮にされました! すぐにモンスターがやって来ます! 」
「…そんな」
「おいおいっ、冗談だろ?」
鍛冶師のヴェルフを加え中層へと進んだベル達。
しかし他パーティの策略により一転、ダンジョン内で孤立してしまう。
ヘスティアはベルを救うため、Lv.4の元冒険者・リュー、さらには神・ヘルメスと共にダンジョン侵入を試みるが……
「──階層主(ゴライアス)!?」
立ち塞がる最凶の敵が、ベル達を更なる絶望へと追いつめる。
希望を求め、決死行が繰り広げられる、迷宮譚第五弾!

『限界まで──限界を越えて己を賭けろ』

これは、少年が歩み、女神が記す、
── 【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──


 再びシリーズを読むのを再開した4巻以降調子よく読めているな。
 食べ物の固有名詞が「ジャガ丸くん」以外ろくに出ないのは、どれだけ「ジャガ丸くん」を印象付けたいのとしつこく感じてしまうし、もしかして将来の商品展開を考えているのではないかと穿った目で見てしまう。まあ、単に他の料理の名称を考えるの面倒なだけかもしれないが、他にも違う買い食いできるような食べ物とか他の料理とかがちゃんとでてくるなどそうした細部を描いてくれたら、作品世界がもっと現実味を持った世界に見えてくると思うから残念だ。こうやって一つの物を繰り返し、フィーチャーされたらそれとは逆にリアリティがなくなっていく。
 しかし仮にも神でヒロインなのに、ジャガ丸くんを買っていく客に頭をなでられているのはなんなんだろうね。
 いくらベルが今までにない短い期間でレベルが上がったにしても、そのことで彼を揶揄したような発言をいう輩が大勢いるというのは腹立たしい。そうした例外が一人二人とんとん拍子であがっていったからと言って自分の生活には影響がないのに、中層で狩場争いが起きるほど人がいるわけでもなし、レベルといった誰にでもわかる明確な指標で実力がある・十分な経験を積んだと証明されているというのに、なんでそんな子供じみた悪口や陰口をたたくかねえ、こういうやつらは。
 怪物進呈(パス・パレード)=MPKによって、戦いながら逃げているうちに地面が崩落して中層チャレンジ初日にして、必死の退却行(実際は上に戻るのではなく、数層下の安全地帯に進むという選択だが)がはじまるという、こうした展開は燃えるわ。
 ナァーザ、ベルたちがダンジョンから戻ってこないと知り、彼の救出に向かうのに回復薬などを無償で多く渡して、自分が行けないことを謝罪しているのを見て、ようやく彼女が悪い奴ではないと思えるようになった。
 様々なメンバーが集まった連合救出隊、こういうのなんか好きだ。しかし酒場『豊穣の女主人』のリュー、ここの想像以上に強いな、レベル4て。
 ベル、新たに得たスキル「英雄願望」が強いということもあるが、1巻ではただビビッていただけなのが、3巻では激戦の末に撃破したが、この巻になると複数を相手取っても瞬殺しているのはすごい成長力。いやあ、ポーションも墜落したときに多くなくしてしまってかなり厳しい状況で非常に頼りになるねえベル、シリーズ当初はこんなに彼が頼りになると思うことがあるとは思わなかったよ。しかし対ミノタウルスは、どれだけ強くなったかについてわかりやすい指標だけど、ミノタウロスがなんかかませになってしまっているのはちと残念でもある。
 ヘルメスの言葉、意味深長だ。地震だったりと予兆はあるので、近々この世界になにか大変革起こりそうだ。
 想像以上に早くリボーンした17階層の主をかいくぐり、ベルは限界で倒れた二人を担いで18階層までは自力で来たが、そこで瀕死になっているときにアイズ(ロキ・ファミリア)に救われる。しかしベートが地上に薬を取りに言っている最中でいなかったのは良かった、彼が出てくるとベルに罵言を吐いて、ベルが萎縮してというのが目に見えているから、想像するだけで不快になるから、実際にはそんな展開なくてよかった。
 18階層、単に安全地帯というだけでなく、街まであるとは驚きだね、まあ度々街は壊れているようだが。そこに拠点を持つ冒険者たちは、地上よりも高く武器などを売り、また素材を安く買って商売をしている。
 リューの過去、なかなか格好いいことやっちゃっているねえ。
 安全地帯に予期せず出現した強力な階層主相手に大勢が協力しての戦闘、こういう巨大な敵相手に微力な人間たちが協力して立ち向かうの好きよ。
 ヴェルフが作った魔剣は想像以上に協力だな。そして切羽詰った状況で仲間を、他人を守るため、嫌悪していたその剣を使うという展開はゾクゾクする。
 ベルの育ての親である祖父には何かあるかもと思っていたが、神「ゼウス」だったのか。