ログ・ホライズンTRPGリプレイ 宵闇の姫と冒険者

橙乃ままれ原作の人気小説『ログ・ホライズン』の世界を4人の人気作家がキャラクターに扮して冒険する物語

<大災害>直後のエルダー・テイル
舞台はアキハバラから遠く南方の諸島。
そこで出会った4人の冒険者
――セイネ、ウルフ、ヘッジホッグAK、マスダさん。
バージョンアップの日に、こんなゾーンに来ていた
なんとも物好きというかなんというかな彼らに事件発生!
謎の少女“ナギ”と共に、物語は予期せぬ方向に進んで行く。

≪ゲストプレイヤー≫
セイネ:綾里けいし(「B.A.D.」シリーズ)
ウルフ:むらさきゆきや(「覇剣の皇姫アルティーナ」シリーズ)
ヘッジホッグAK:丸山くがね(「オーバーロード」シリーズ)
マスダさん:芝村裕吏(「マージナル・オペレーション」シリーズ)

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 先ごろ発売されたリプレイの第2弾の感想をあげようとして、第一弾のこの本の感想をあげていなかったことに気づく。気づいたから良かったものの、ナンバリングついていないのに危うく感想の順序が逆になるところだった(笑)。
 「ログ・ホライズン」の原作者橙乃ままれGMゲームマスター、進行役)を務め、そして丸山くがね(「オーバーロード」)や芝村裕吏(「マージナル・オペレーション」)などPLも全員作家さんという豪華なTRPGリプレイ。本書では、チャプター1と2、チャプター3と4で、それぞれひとつずつ計2つのセッションの記録が収録されている。しかし皆さんが楽しそうにプレイしているので、読んでいて気持ちよかった。
 原作「ログ・ホライズン」と同じ判型なので、本棚に並べるときに一緒に並べられるのがちょっとしたことだけど、うれしい。それから注というか、ほとんどつっこみみたいなものが、ページの下部にあるのでストレスをまったく感じず読み進められるのでありがたい。章の最後とか、本全体の最後にまとめられると、どうしても手間取るから。
 イラストにするときのポイントとして何か小物があることは重要として、欄外にその例としてシロエの眼鏡、クラスティの眼鏡、ヘンリエッタの眼鏡とあることには思わず笑ってしまう。
 それぞれのプレイヤーがキャラクターを作る際の会話なども書かれているのはよかった。こういう部分が書かれているとちょっとうれしい。
 自己申告のダイス目は経験を重ねれば重ねるほどに下がっていく傾向があるという話は、TRPG界隈をしらないので、そうしたその界隈のあるある(?)ネタについてちょっと書かれているのは面白いな。
 ゲーム世界ではマイハマと小笠原諸島エルダーテイル時間で一日一便、片道12時間で運行されていたようだ。小笠原諸島のあたりは今までもそのあたりの地域がどうなっているのか気になっていたので、今回その地域を舞台にした物語が作られていろいろと情報がでてきたのはうれしい。ただ、今回のTRPGでは船が壊されたりしているのだが、原作世界の交通は現在どうなっているのかも知りたいな。
 現実の四国に当たるフォーランド公爵領には現在大地人の統治者も住民もいない地域だというのもはじめて知った、たぶん。
 「マスダ」ってだれかなと思っていたら、「ログ・ホライズン」や「まおゆう」の監修などをしている桝田さんか(というか彼は具体的にどんな仕事をしているのか見えないなあ、だって特にそうした人が何にもついていないweb掲載時から大きく変わったこともないしなあ)。まあ、「マスダさん」のPLである芝村さんが桝田さんと親しいということもあって、いろいろと「マスダさん」は桝田さんの隠し子(娘)とかひどい設定をつけられている。
 勝ち負けがはじめる前からわかっている小さな戦闘シーンとはいえ、作中で初めての戦闘シーンは省略しないでほしかったなあ。でも、戦闘シーンなど、真面目に情報収集をしているPLたちのシーンをばっさりカットしたGM(橙乃さん)が、そのことについて『どうか恨まないで欲しい。真面目な時間は短かったということだけ付け加えて置く』(P103)と書いているのには笑った
 しかし戦闘シーンはベテランが多かったこともあり、(少なくとも素人目には)危なげなく勝利してしまっていたのでそこはちょっとだけ残念だったかな。それから<カンナギ>もヒール使えていたが、原作でもヒールは使えたのかな、そこらへんがよくわからないから以前からちょっと気になっている。
 それから絹野帽子さんがTRPGのルール作りに参加していたということなので、絹野さんは以前「なろう」で小説を書いていたが、変な出版社でその小説を出版して、それで色々とあって、それからすぐに「なろう」では活動されなくなったので、どうされたのかなと思っていたから、無事を知れてなんか安心した。