ログ・ホライズンTRPG リプレイ ごちそうキッチンと病の典災

ログ・ホライズンTRPG リプレイ』待望の完全新作描き下ろし第2弾!

エルダー・テイルで出会った4人の冒険者は、
アキバの街で念願のギルドハウスを手に入れた。
2つの人格を持つ少女“ナギ”の
「みんなを呼んでパーティーをしよう!」という一言で、
食材あつめて大宴会「夢の満漢全席! 〈冒険者〉厨房で舞う」のほか、
ナギを救うため未知の敵が待つ〈ボダレルの原野〉へと向かう「恐怖の〈疫毒〉! 〈冒険者〉災厄に挑む」!

完全新作のリプレイ2本を収録!

ゲームマスター
橙乃ままれ(「ログ・ホライズン」シリーズ)

≪プレイヤー≫
セイネ:綾里けいし(「B.A.D.」シリーズ)
ウルフ:むらさきゆきや(「覇剣の皇姫アルティーナ」シリーズ)
ヘッジホッグAK:丸山くがね(「オーバーロード」シリーズ)
マスダさん:芝村裕吏(「マージナル・オペレーション」シリーズ)
(エンターブレインホームページ HOME > 書籍・ムック一覧 > ゲーム関連 > その他 > ログ・ホライズンTRPG リプレイ ごちそうキッチンと病の典災 より)

 リプレイ、てっきり単発のものだと思っていたので、今回GMもPLもPCも変わらず続きが出たのは素直に嬉しい。今回も2つのセッションが収録されている。この巻2つ目のセッションのラスト近くで、今後のための伏線を入れるとマスダさんのPC(芝村さん)が宣言しているので、今後の続刊も期待できるかも!
 しかしナンバリングがないのがリプレイという感じがしなくもないけど、現在の2冊の段階ならばともかく、発売順がパッと見てわからないのはなんか不便。
 前回はウルフだけがセイネを「セイネたん」と読んでいたが、今回はセイネのPLの綾里さん含めてPLの全員とGMまでセイネたんと言っているのは、ネタだとはわかっているけど、なんかちょっと違和感があるなあ。まあ、それは個人的に「たん」づけそのものに、そうした違和感があるせいというだけかもしれないけどね。
 今回はアキバの街が舞台ということで、原作に登場するキャラが色々出てくるのは楽しいね。ただ、作者本人が、厳密に原作キャラの性格を運用しなくてもいいということを示すため(とその場のノリで)、わざと彼らのキャラを壊しているけど、主人公のシロエとか(笑)。
 冒頭で、編集も途中で放棄という文章があり、それはそのままが面白いからという意味だと注にあるけど、P33-4にほとんど同じ文章が続いているのを見て(一旦完成した文章に多少手を加えるけど、元の文章もそのまま残しておいて、正式に書きあがったら消そうとしていたのだろうが、消すの忘れていたって感じ)、本当に放棄したんだと一瞬納得してしまった。
 イラスト、章はじめのキャラクターを紹介しているページのイラストがすごくいいね。特にナギとトキナギの絵が素敵だ。
 AK社長のキャラ好きだなあ。1本目のセッション冒頭の、ロデリック商会と共同してニコのぬいぐるみで一山当てた対価として、ギルドの本拠地になる場所を契約でもらったものの、ろくに見ずして契約したのでその契約が下手すれば直ぐにそこから追い出されることもありえる(下手すれば権利ただとりされて終わることにもなりかねない)契約だったこともあり、PCたちの空気がお通夜ムードになっているので思わず笑いがこぼれてしまう。まあ、ロデリック紹介は大手で円卓会議のメンバーだから、おそらくそんなアコギなこともやらないだろうから大丈夫だろうが、とにかくそんな契約だったのでどんどん重苦しくなるPCたちの空気がつぼ。
 注で『〔エンターブレイン〕チヨダワリトタカイビル。』(P83)とさりげなく、ニンジャスレイヤーネタがあって笑った。しかしこうしたネタ的な用語とかは知っているし、ちょっと読みたいとは前々から思ってはいるのだけど、実際にニンジャスレイヤーを読んでいないので、そのうち読まなければなあ。
 ギルドハウスに引っ越したことで、ナギ(NPC・子供)が『パーティーをやって、お友達にお土産で、このぬいぐるみあげようよ!』(P90)と在庫の山羊スライムというちょっと不気味なぬいぐるみを渡そうとしているのは笑った。
 そして今回は前回なかった戦闘シーンの位置関係が把握できる戦闘配置図が載せられているのは良かった。前回あったらいいなと思っていたので、それが追加されていて嬉しい。
 そして今回は前回よりも戦闘シーンが緊迫していて、ギリギリ感があるスリリングな戦闘で、戦闘シーンの魅力も上がってより面白くなっているのも嬉しい。
 「NAGI'S キッチン」というミッションでは、特殊なルールのもとで判定しながら料理を美味しく作っていく。いつもと趣向の違う形で判定していき、料理がどうなるのか決めていくこのミッションはとても面白いし、こういうの好きだな。AKおじいちゃんが、加点要素の味の開発で、笑える名称のタグを料理に引っ付けているのがいいねえ。
 ただ、にゃん太云々言っているけど、見開きのルール説明ではにゃん太のことが触れられておらず、本文での会話の内容でお助けキャラなのがわかるが、実際それを使用するところで、ようやくその効果がわかる。たぶんだけど、説明ページでにゃん太の説明が抜けているの気づかなかったのかな?