ドウルマスターズ 2

内容(「BOOK」データベースより)

人型機動兵器『ドウル』最強部隊『ソフィア』への入隊を目的とした訓練校に、早乙女蒼生が入学して丸三ヶ月が経った。蒼生の姉・朱理、『ソフィア』のエクサーという素性を隠す玲音、反体制組織『ゲノムス』加入を偽装する龍一の四人は、日々、ドウルマスターとしての訓練に励んでいた。地球では『ゲノムス』によってポリス反乱軍が蜂起するも、『ソフィア』により一瞬で鎮圧されていた。この結果は、『龍一脱走作戦』の早期決行を決定づける。そして迎えた、クリスマス前の訓練航海。玲音、龍一、蒼生による、互いの素性を知らないドウル三体の激突が始まる―!


 案外早い続刊、年一ペースとかそのくらいで刊行されると思ったら、交互刊行にするのかな。まあ、序盤だからそうしている可能性もあり、実際のところどのくらいのペースで刊行するのかは今のところ見極めつかないけど。
 設定的なものが説明される文章はちょっと目が滑るので、半ば読み飛ばしてしまった。
 蒼生、空中戦なら姉と五分以上で戦えるようになったとは上達早いなあ。もちろん姉が地上戦のスペシャリストでそっちに慣れている分だけ、空中(無重力)での戦闘に違和感を抱いているというのもあるだろうけど。それでもなお戦闘経験の差は歴然としてあるのに、短い期間で五分以上にやれるようになったというのは凄いわ。
 それに地上戦でも、乱取りみたいな練習で1勝も出来ないというのは珍しいというのだからかなり上達しているようだ。
 反太陽系連盟の組織ゲノムス、これだけ大々的に世界政府的な太陽系連盟と敵対していられるんだから、それも相手が上層市民たるポリスの上部機関で資金力とかも圧倒的だろうに、それに対抗できているのだから、その他の層(彼らに含まれない過半数の人間)にとってゲノムスの主張は正当なもので支持があるんだろう。太陽系連盟の内部にも支持者が一定数いるようだから。
 まあ、実際、一度自由を知った人類が生まれによってあらゆる面で差のある待遇しか受けられないという状況では、その状況を擁護している太陽系連盟は悪の首魁だからしかたないね。
 というか結構リアリティーのある未来の姿だよなあ。階層によって生活環境が交わらなくなってきている、アメリカを筆頭として昨今の事情や、そして先進国の中流以下の没落、世界的には別の国にその労働が移り平均化を加速させる動きが現在あることを思えば。そんな世界が均等になった世界で、金持ちの小さな地域だけが他を切り捨て各自独立して(ポリスになって)、それらが連帯して上部機関(太陽系連盟)を作ったらという弱者切りすて、エリート支配ここに極まれりな世界観やわ。
 まあ、現実はそうしたことにならないことを願いますよ。
 ExA(超能力)で鍵を開いたり出来るって、ちょっと悪用しようと思えばへんな使い方も出来る危ないものなのね。戦闘にしか使えないという類のものではなく。
 蒼生、ポリス市民に対する劣等感、そのせいでいつかなにか間違いをおかさないか姉の朱理は危惧しているが、こうした書かれ方をすると打ち切られず書かれていくならばいつか危惧したものが起こるだろうことがわかってしまうから、なんかちょっと気が重くなってしまう。
 今回で龍一は事故で死亡したと見せかけてゲノムスに合流して、これで本来の敵・味方関係がきっちりとわかれて、これで序章も終わりという感じかな。龍一も仮住まいと分かっていても、同じ訓練を共にした仲間たちにはちゃんと友情を感じていたのだな。一時的だからと冷笑的に見ていたということはまるでなくね。
 最後の広告ページで来月には「魔法科高校の劣等生」の最新刊が出ると書かれているので楽しみだ。この本出たから、何ヶ月かは間を置くのだろうと早合点していたので、連続で出してくれるというのは予期せぬ喜びだ。