バカとテストと召還獣 12.5

内容(「BOOK」データベースより)

三年生との試召戦争を劇的な勝利で飾った明久たち二年生。まっとうなクラス施設もゲットして、快適な学園生活を送るFクラス面々が今関心を寄せるのは、そうクリスマス!しかし彼らは知らない…学園長がまたいらぬ気を回そうとしていることを!『僕と聖夜と渦巻く陰謀』前後編。そして、女子からの数々の仕打ちに耐えかねたバカたちが遂に報復に出た!?『僕と同志とスカートめくり』他でお贈りする青春エクスプロージョンショートストーリー第6弾!!


 久しぶりのシリーズ新刊。本編完結後のエピローグ的な短編集。本編終わって、しばらく経ったからもうすべて終わった気になっていて、短編集がでるのを忘れていた。このシリーズらしくFクラスのいつもの面子がバタバタと楽しくバカやっているところが書かれて終わる。シリーズ完結お疲れ様でした。で、いいのよね、実はまだ短編出る予定があるとかではないよね。
 「僕と聖夜と渦巻く陰謀(前編)」しかしこの学園は、相変わらず馬鹿なイベントを企画するねえ。学校がそんな企画をすんなよと思わなくもないけど、まあ、そういうこと一切気にせず頭空っぽにして楽しむのが吉。
 「僕と同士とスカートめくり」雄二と明久は好きな相手(霧島・姫路)に共にスカートめくりをしているが、独占欲みたいなものはないのかな。まあ、こうした空間でそんな野暮なことをいうのはおかしいのかもしれないが、久しぶりだからちと気になった。単純にエロとかバカしているのを楽しむのがいいといっても、ふとそんなことを第一に思ってしまうのは、年をとったせいかな(苦笑)。
 雄二と明久の『「大丈夫か明久」/「うん。手足の震えが止まらなくて指先の感覚がない以外は視界がぐらついて真っ直ぐ歩けない程度の傷で済んだし」/「そうか。なら問題ないな」』(P112)という掛け合いは明久が「そうか。なら問題ないな」という雄二の台詞に地の文でも台詞でも何も反応していない、つまり本当にそれで大丈夫だと思っていることに笑える。
 しかし彼らは回復はめちゃくちゃ早いけど、よくそうした状況になるからタフなのかタフじゃないのかよくわからないな(笑)。
 女装などさせられたことへの不満から、行動を起こしているのに結局秀吉の手にかかって女装することになるのは、明久本人もモノローグで言っているように「本末転倒」でくすりとする。
 「僕と聖夜と渦巻く陰謀(後編)」姫路のプレゼントに食べ物が入っているだろうと思ったので、男子陣+秀吉の間ではプレゼント交換がロシアンルーレットに早代わりして策略をめぐらせているのが笑える。
 そして明久のプレゼントの漫画って「ダンジョン飯」か! まさかこんなところで最近話題のこの作品について言及されると思わなかったわ。
 各短編の前に置かれている放課後座談会では、各キャラの初期設定が披露されて、それについて各キャラがあれこれと語っている。メタ空間の話だろうか。そしてその初期設定では、初期姫路は雄二好きで、初期島田が須川ポジの男と、主人公の明久はマジでもてていない人だったっぽいことにちょっと笑う。
 あとがきの秀吉のイラストを初めて見たとき、この子をヒロインにしようと担当に懇願したというのはどのくらい本気の話なのか、図りかねるな。果たして冗談半分だったのか、どこまでも本気だったのか。
 あとがき後に、久保弟と土屋妹が入学してきたところが彼ら視点で書かれ、この学校のバカ騒ぎはまだまだ終わらないぜって感じで幕が下りる。