RPF レッドドラゴン 4 第四夜 夜会擾乱

内容(「BOOK」データベースより)

伝説はついに裏切りの夜を越えた…「混成調査隊」から劇的な離脱を果たした婁震戒の凶行によって一触即発となった事態の打開を図るため、各国はニル・カムイの首都・シュカにおける親善会議に先駆けて「夜会」を開く―が、その会場に突如として迫る「赤の竜」の影。革命軍、黄爛軍、ドナティア軍が三つ巴となる激戦のさなか、忌ブキに次第に芽生えていく“王”としての意志は、この島を救うのか、それとも滅ぼすのか。激動と狂瀾の果てに英雄たちを待つ驚愕の賽子の目とは。


 そういえばアニメでは婁さんが女性キャラになっちゃうということだが、それにはどうも違和感があるな。今の恋する暗殺者の婁震戒と七殺天凌の関係が男女反転して印象変わってしまわないかちょっと心配。でも、どうやらPLの虚淵さん本人がアニメ化するさいに何かしら変えてほしいといったのだから、まあ仕方ないか。それにPL発言での一言一言での破壊力が彼のキャラクターをより魅力的に見せていた側面があるから、それがなくなって物語としてみたら終始不気味で、最期には裏切るというキャラとうつるかもしれないし、そうした意味でもその改変は良かったのかもしれないしね。それにエィハが衣装チェンジでかなり可愛くなっているし。
 しかし、今回は冒頭を読んだときからここら辺はいまいち覚えていないなあと思っていたが、黒竜騎士団のシメオン対婁さんの話をすっかりと失念していたことには自分でも驚いた(苦笑)。
 そして前回の新聞に引き続き、夜会シーンで本来は出番を想定していたが、死亡しているため、またいじられているウルリーカ。
 前回で自らが王になることを決意した忌ブキ、エィハは「剣」として、彼を王にするために邪魔者を排除しよう、はやく彼女消えないかなあワクワクみたいな、なかなかにぶっそうな思考となっていてその飛び具合が素敵。忌ブキの敵対者絶対殺すウーマンエィハ。
 そして今まで迷っていた忌ブキもどんどん覚悟完了していっていて、そのギャップがいいねえ。
 あとエィハ、隠し玉の防御力アップの能力を使っていなかったから、岩巨人戦で死にかけたのね。どうも戦闘系のキャラなのに、そうした点が婁・スアローに比べてだいぶ弱いなと思っていたらそんな技が。
 属国、列強の一地域となってもひとまずは民が死なない平穏が生まれれば良いと考える祝ブキと、血が流れようとも列強のくびきから脱出(民族自決)して自分たちで変えて行かないといかなれば人々は前を向いて生きられない、希望のないなか命をつないでも本当の意味で生きているとはいえないと阿ギト、忌ブキとでは決裂するわね。まあ現在でも多くを喪っているのにさらに信仰の中心である赤の竜も失い、契り子も他国の手に落ち占領下で命をつないで、矜持をなくさずひねた、卑屈さを持たず前を向いて生きられるかというのは疑問だからなあ。さらに別宗教も導入となれば、この島の過去をすべて捨てることになりかねないから、歴史的に見たらとはいわずとも、少なくとも現在の民族自決原理がある時代からみたら悪手だろうな祝ブキ。彼女にそれ以外の手を求めるのが酷だとしても。まあ、なんとなくで書き連ねているし、忌ブキに肩入れしているので、祝ブキに辛くなっているし、的外れな指摘かもしれませんがー。
 そして今回も婁震戒、虚淵さんの一発一発の発言の破壊力が高くて素敵だ。
 シメオンさんは特にっぽいが、黒竜騎士団、短期決戦型。
 しかし今回は政治的な折衝となるかと思えば赤の竜の出現でシュカの街(首都?)含め一切合財を壊されて、一気にパーティーも分裂してそれぞれの道を進み始めたが、みんな覚悟完了して、各々の道を定め進み始めたから物語は暗くなっていないのはいいね。まあ、物語の終着点がどこになるか、ますます見えなくなったけど。