Fate/strange fake 3

内容(「BOOK」データベースより)

偽りの聖杯戦争を生贄として、本物の聖杯戦争を喚び起こす。それが黒幕たちが執り行った大掛かりな仕掛けだった。黒幕陣営が召喚せし新たなる英霊達。そして、プレラーティの雇った若き傭兵シグマが喚び出してしまった“エクストラクラス”の正体とは―。シグマはまだ知らない。彼が喚び出したモノが、英雄とも神魔の類とも表しがたい、一際異常な『現象』であるという事を。雇い主の好奇心を満たす為の要素でしかなかった彼が、最大のイレギュラーとして戦いに巻き込まれることも…。開戦の日の夜明け。スノーフィールドという歪な戦場に、全てのピースが揃おうとしていた。最後に組み上げられる絵の完成図すら、誰一人想像できぬままに。

 ネタバレあり。
 1年ぶりの新刊。そうやって間が空いていて通常の聖杯戦争よりも大分サーヴァントもマスターも多く、それだけ登場人物の多い作品で群像劇で視点がころころと変わるので、正直この人どういう立ち位置だったっけという思うことが多かった。復習しないとな。
 そうして今まで一挙にキャラクターをどんどん登場させていたので、今回で登場人物は出揃ったとあとがきにも書いてあり、4巻では『バトル成分多めになりそうな感じ』ということで、これからどうなっていくのか楽しみ。
 まだ脱落した陣営もないし、現在はまだまだ序章で今後どのくらいのペースで物語が動いていくかはわからないけど、陣営の数を考えても相当長い物語となりそうなので、このペースなら完結はかなり先になりそうだ。
 主人公的なポジションのアヤカ・サジョウは単純に巻き込まれ・流されてきただけかと思いきや、「沙条綾香」とは見た目もそっくりだが別人だということが判明して、どうも不穏な裏事情がありそうな気配が出てきて、そこらへんも気になるところ。そして彼女の相棒のセイバーは獅子心王だったか。この人はリアルに結構ぶっとんだことをやらかしている歴史的人物だから、セイバーの奔放ぶりや「『座』にできるだけ多くの歌と英雄譚を持ち帰りたい」(P182)という発言も納得する。
 Σ(シグマ)、自我の薄い道具のように手駒として使われる青年。本人が今後ランサーとして強化されていくというのは面白いね。どうやって強化されていくのか、気になるな。そして彼は冬木の四次聖杯戦争で切嗣の助手だった久宇舞弥の子供か! 
 昏睡した少女マスターの夢での思いから、スノーフィールドという街が聖杯戦争というかなり危なっかしいことをやっているのに、誰も出られないという牢獄のような場所へと変わることになる。
 フラットが(遠坂)凛と知り合いだったり、魔術の世界が小さいということもあるのだろうが、ちょこちょこと他シリーズでのキャラの名前が登場しているのはちょっと嬉しいね。私は他シリーズはstay nightとzeroくらいしかわからないけど、他にも他シリーズの人物の名前が出ていたり関係をほのめかされているのもあるのだろうな。
 群像劇だけど、今のところこのシリーズの主人公的なポジションにいるのはアヤカ・サジョウ、そして本人が力をつけることになりそうなΣもそれっぽくなりそうな気がする。
 そしてギルガメッシュティーネは、4次のイスカンダルとウェイバー的な関係と立ち位置で、途中敗退するけどサーヴァントの存在によってマスターは成長するという感じになりそう。