ガンゲイル・オンライン 6  ワン・サマー・デイ

 ネタバレあり。
 今回はこれまでのスクワッド・ジャム上位入賞チームに、NPCの戦闘力をチェックするためのテストプレイの誘いが来て、それに参加する。3ライフ制で、専用フィールドで強力なNPCが守る拠点を最初に陥落させたチームが優勝というルール。
 3ライフで二度倒されても復帰できるなど今までとは違うルールなので、新鮮で面白かった。今回はテストプレイとして戦っているのでいつもの観客視点はなし。
 一章の最初にある、今までのスクワッド・ジャムに出てきた色んなチームのメンバーの現実での彼ら彼女らの日常の一幕が垣間見れるシーンはいいね。
 全日本マシンガンラバーズ、『初回のタダのお笑いチームから、なかなかバカにできない強チームへと変化していました。』(P109)気持ちよくマシンガンをぶっぱなしたいという軸がぶれずに、チームとして相当強くなっているのは地味にすごいな。
 レンは今回で懸案だったボスたちとの全力での戦いをすることができると思っていたが、ファーストコンタクトでの全日本マシンガンラバーズの横入り、そして想像以上に強力な敵の存在もあってその戦いを果たす前に共闘することになったこともあって、全力での戦いは再びお流れとなる。巡り合わせが悪いのか、中々戦えないね。
 それからフカ次郎がレンをALOにこないかと誘って、レンも行ってみるのもいいかもと好反応を示している。このシリーズのタイトルが「ガンゲイル・オンライン」だから、難しいかもしれないけど、彼女らがALOに行く話も読んでみたいな。
 強力な敵が拠点にこもっているので、強いチームでも拠点に入ることもままならない。そのためピトフーイは自チームの独り勝ちをあきらめて、残存全チームと協力しようとする。
 そうして多人数での拠点攻略のための戦いが始まる。
 全日本マシンガンラバーズが敵じゃないから拠点に入れてというプラカードを持って拠点に入ろうという試みが成功しかけたところなどからわかるように、敵はNPCではなく人間。
 実は今回のテストプレイはGGOの運営会社ザスカーのロイがある友人のための作られた戦場。ザスカー社のロイとその友人ジェイコブは軍時代の同僚で、軍を止めた後に民間警備会社に務めたという煮た経歴の持ち主。ロイが現在も民間警備会社という危険な場所を仕事場とする友人(ジェイコブ)にその仕事をやめさせるために、現実と誤認させる芝居をうった後に、血みどろの戦いをする。
 ジェイコブは今まで幸運にもチームの仲間や部下を失った経験がなく、長年戦場働きをしてきた。その彼の妻の依頼でロイは彼が実際に大きな喪失を感じる経験をしたり、自身の命をなくす前に足をひかそうとしたことから、今回の「テストプレイ」が行われるようになった。そして今回の戦いでジェイコブは戦場から足をひくことを決心する。そちらの物語もめでたしめでたしで終わってよかった。