幼女戦記 2

幼女戦記 (2) Plus Ultra

幼女戦記 (2) Plus Ultra

 ネタバレあり。
 冒頭のダキアとの戦争についてのターニャ・デグレチャフとレルゲンの認識の違い。後の時代の軍事知識を持っているターニャは楽勝と理解しているが、優秀なレルゲンでも相手の人数の多さで戦力を評価して厳しい戦いを予想している。
 ターニャ率いる二〇三航空魔導大隊はダキア軍先鋒を一蹴し、その後敵首都まで進んで、敵の工廠を破壊する。そのように苦戦もなく二〇三航空魔導大隊のダキア方面での活動は終わる。
 その後二〇三魔導大隊はルーデンドルフ少将に要望されて北方ノルデン方面に行く。しかしルーデンドルフ少将、ターニャ・デグレチャフの容姿を知っているのにターニャのことをノルデンでの戦闘経験もあるベテランと表現している。ターニャの戦闘経験や実績をを軽くみていないことがわかる発言だけど、ちょっと面白くもある。
 ノルデンに来た二〇三航空魔導大隊がその規格外さに、敵からも味方からも驚かれているのが描かれているのがいいね。
 ターニャはルーデンドルフたちの秘策である後方への大規模揚陸作戦のことを、地球での現代までの事例でそうした作戦のことを知っているからそのことを見抜いてルーデンドルフに驚かれる。
 協商連合の要人が亡命するのを連合王国が秘かに手助けして、彼らに亡命政府を作らせるという計画がたてられた。
 彼らのその作戦中、帝国潜水艦が発見し攻撃した敵艦隊に二〇三航空魔導大隊は攻撃を仕掛けて一当てして離脱する。その戦闘で偶然にも亡命政権要因の評議委員を乗せた船の居住区を攻撃する。そして二〇三航空魔導大隊はその戦闘の帰路で、国籍不明(連合王国)の潜水艦を発見する。秘密の積荷を抱えた潜水艦は停止命令を発するも潜水して逃げようとするが、威嚇射撃という名目で潜水艦の近くに当てて水圧を利用して潜水艦を撃沈する。
 連合王国では情報漏洩を疑う。しかし本当に偶然なので調査しても白で、だが偶然にしてはあまりにも帝国に都合のよすぎる偶然の重なりだからハーバーグラム少将はそのことを信じられない。被害に加えて連合王国内部にも疑心暗鬼の種を植えつける最高の戦果となっていた。
 そのように偶然にも、帝国にもターニャ自身も知らないが実は大戦果を挙げていたことが連合王国視点のパートで判明する。そうしたことを本人や味方は知らず、上はベターな結果、本人は失敗だと感じているが、偶然にも敵方から見るとえぐい被害を与えていていたという状況は面白い。
 二〇三はラインへ転属することになるが、その前に海軍との共同演習を行う。
 ラインへ戻ってきたデグレチャフ。二〇三大隊にグランツ少尉ら新しい人員が増える。そしてグランツ少尉の目から見た狂気に満ちた戦場の姿が書かれる。
 後方のアレーヌで反乱が起こり、二〇三航空魔導大隊は、国際法上罪に問われないが非道な戦術を使った早期鎮圧に参加する。
 ゼートゥーア少将はライン戦線を後退させて、そこに敵を引き込んで敵に出血を共用させる作戦を立てる。その作戦で二〇三航空魔導大隊は後退の殿という重要だが非常に危険な任務を任される。
 サイドストーリー「借りてきた猫」では、ターニャが銀翼突撃章をもらったときに広告塔として少女としてめかしこまなくてはならなくなって、戦場でいいから帰りたいと心から思いつつその仕事をすることになったことが書かれる。