独創短編シリーズ 野崎まど劇場

独創短編シリーズ 野崎まど劇場 (電撃文庫)

独創短編シリーズ 野崎まど劇場 (電撃文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
電撃文庫MAGAZINE」で好評連載中のユニークすぎる短編が文庫化。死体を探しに行く検死官、対局にペットを連れてくるプロ棋士、勇者を何とかしたい魔王、若頭、サンダーファルコン、ビームサーベル、ライオン、うげげげと喋る牛、電撃文庫の妖精等、変態的(?)な登場人物たちが繰り広げる抱腹絶倒の物語の数々。

 ショートショート作品集。正直ショートショートは、星新一とか東野圭吾「怪笑小説」とかを読んで、ああいう人の嫌な心理を前面に出すようなものはすごく苦手なので、あわないと思っていたが、こういうコントみたいな笑えるショートショートもあるんだ!とちょっと驚いた。これなら普通に面白いし、すごく読みやすい。他にもこうした単純に笑えるショートショートがあればぜひ読みたい。まあ、そうしたものがなくとも「連載中の」(内容(「BOOK」データベースより))ということだから、続刊もどれほど先になるかはわからないがありそうだ。それと、カバー裏にも短編があることにも驚いた。
 最初の書き下ろしの西部劇の決闘ものは、普通の文字や記号で、弾の軌道やら周りの物とかを表しているのは、2chとかそうしたネット上であるような表記法だが、本で読むと斬新に感じるなあ。こうしたものにも、きっと文学の技法として名前が何かしら付いているんだろうけどさ。
 「検死官 ゾーイ・フェニックス」そういえば、たしか「ゲームシナリオのためのミステリ事典 知っておきたいトリック・セオリー・お約束110」で知って驚いたんだけど、現在では、脈を取るのは首なんだってね。
 「王座戦五番勝負 第三局」初手王手、駒は家から持ってきた。とか、それに対する解説の『駄目ですよ。駄目ですけどね。伊月君は駄目って言われたことをやっちゃったんだよね。これまでの全部の棋士が駄目だと信じて来た事を伊月君はやってのけてしまったんだよねぇ。初手・王手というのはね、夢ですよ。夢。棋士なら一度は見る夢です。それをこうも見事に見せられちゃあ、認めないわけにはいかないでしょうな』(P44)というのには、とてもじゃないがこらえきれない(笑)。
 「妖精電撃作戦」最後のトムルルの、「デュラララ」のキャラでトムは静雄の先輩だったような記憶があるが、ルルがわからん。
 「首刈島十七万人殺人事件」名探偵が、休暇の旅行において、そんな名前の島に行くんじゃないよwたとえタイトル見なくとも、冒頭1Pで事件が起こることがわかる親切設計w