デュラララ SH 2

内容(「BOOK」データベースより)

「首無しライダーはね、ある種の人達にとっては希望なんだ。彼らは求めるのさ。世界が裏返る為のきっかけをね―」ダラーズの終焉から一年半。池袋では今、首無しライダーに関心を持つと消されていく。来良学園の新入生である三頭池八尋と琴南久音は、姉と妹が行方不明になっている辰神姫香のため、失踪事件を追い始めたのだが…待っていたのは首無しライダーことセルティ・ストゥルルソン本人との衝撃的な出会いだった。平和島静雄と対等にやり合った八尋の噂も駆け巡り、池袋のざわめきが大きくなり始めた時、ついには粟楠会の幹部や八尋の仲間まで姿を消していく。非日常を求めて再び動き出した池袋の行方は!?さあ、みんな一緒に、デュラララ!!SH。


 前巻から続いて、首無しライダーが犯人と疑われている失踪事件について調べる新高校生組と、何も知らないことで疑いをかけられたセルティが描かれる。
 そして1巻では八尋のことが多く語られていたが、今巻では他のメインキャラである新高校生組の2人久音と姫香の二人についてのことが語られる。。
 麗貝と八尋の戦闘シーンは格好良くて好きだなあ。八尋が単なる力まかせの攻撃をするのではなくて、色々な攻撃を状況に応じて使い分けていて、麗貝も紙一重でよけているのは絵になっていいね。互いに有効打が出なかったのも(八尋の攻撃がヒットしそうになったのを、セルティが中に入ってとめようとしたからだが)、スマートな印象で格好良く決まっているという印象を強めている気がする。
 しかし麗貝、この戦闘では武器使わなかったが、普段刀剣を使っているのかよ。よく逮捕されないなあ。まあ、そういうことをいうのは無粋かもしれないけど。
 セルティは人攫いの疑いをかけられ、仕事にも影響が出てくることもあり、自分自身も調査に動く。
 辰神姫香、1巻ではあまり情報が明かされなかったが、今回しれっと久音の家の鍵をあけたりしているのをみて、中々の玉であることがわかる。リアリストでタフな心の持ち主。
 久音、姉との共作でセルティと接点を持ったことを大々的に流布して、犯人に自分を拉致させて、敵地に潜入する。
 久音の姉の望美、かつて臨也に助けられて狂信者見たいになった人で(臨也からすれば、そうするために助けたのだろうが)、臨也が池袋からいなくなった日から失意の日々を送っていたが、久音は元は臨也好きでもなかったようだが、そんな姉のために臨也になろうとする。
 また姉も池袋を専門としたニュースサイトを経営して、そのハンドルネームをオリハライザヤを連想させる名前にして、彼がネットで生きていると安心させて、自分と同じ生きる意味を失った臨也の狂信者たちの慰めにもなろうとして、実際そうなっている。
 そんな姉に八尋は、弟の久音は君を利用する手ごまとしか思ってないから、誘拐されたからといって気負う必要がないというも、それに対して八尋はそんなことは関係ないといって、あくまでさらわれた彼を探す。八尋が彼に騙されそうな感じがでていたから、彼の意図を知って、なお友人でいるから、関係は変わらないとしても、八尋が久音の思惑を知ったのは良かった。これで、うさんくさい久音に何も知らず騙されて動かされるということはなくなったかな、まあ結果として動かされても久音のそういう性質を知らず友誼を利用されてそうなるのと、そういう性質を知りながら、それでも動くのでは全然意味が違うからね。
 首無しライダーの狂信者の狂言誘拐から始まり、本当の誘拐に変わったというのが事件の真相のようだ。
 最後、八尋が変身ヒーローみたいに、セルティから渡された影でできたマスクと布地をまとって、誘拐者たちの本拠に集ってきた人間たちを、姫香の姉妹らを傷つけないためにも、全員平等に加減しながらぶちのめしていくというのはいいねえ。「化物」としての鮮烈なデビューを飾る。
 その八尋の影の戦士状態のこと「蛇手」(Snake Hands)と通称がつけられて、そこでもこのシリーズの「SH」の題を拾っていくか。
 そして八尋に池袋行きを薦めたの新羅だったか、臨也が親切めかして誘導して外から池袋を荒らしに掛かったのかとも思っていたが、特に意図なく彼が世間話でそうした話をしただけか。
 あとがき、麗貝、格好よさ気なキャラクターだったので今後とも登場しそうなのは嬉しい。そして次回以降は、何でも屋みたいなことをはじめる琴南姉弟と、それに付き合う八尋と姫香で、その仕事がらみの話で1冊完結ということなので、楽しみ。今後、あまり連続でぽんぽんこのシリーズを出してくれるとは思わないから、今のところこのシリーズは1冊完結が続く予定であるのはありがたい。