ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 6

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 6 (GA文庫)

『戦争遊戯』──対立する神々の派閥が総力戦を行う神の代理戦争。勝者は敗者の全てを奪う。そして敵神の狙いは──
「君の眷族、ベル・クラネルをもらう！」
　戦争開始まで期限は一週間。追い打ちをかけるように今度はリリが【ソーマ・ファミリア】に捕らえられてしまう!
　絶望的な状況の中、それでも少年と『出会い』、幾多の『冒険』を経た絆が今ここに集結する。全ては勝利のために!

（GA文庫TOP > シリーズ紹介 > 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」特設ページ > 既刊紹介　より）

　今回リリはついにソーマ・ファミリアを抜けようとして主神ソーマに直訴するも、彼はファミリアの一員で悪どい側近のザニスにそうするには莫大な金額を持って来いと要求され、途方にくれる。そしてベルは、またもや変な神、少年愛嗜好の神アポロンに目をつけられ、彼の神は無理やり彼を引き抜こうとして強引な手段を使ってくる。
　しかしザニス、嫌だなあ。こうゆうの。リリにとってこのファミリアは子供時代を台無しにされた煉獄のような場所だったというのに、そんな彼女から更に奪おうとしているのはむかっ腹が立つ。この男、全くもって悪党らしいよ。と、当初リリに批判的だった人間が申しております（笑）。まあ、批判的つってもベルとの関係で都合いい奴と思っていたからで、当然その元凶たる連中相手には彼女の味方するよ。その当初の段階でも。
　しかしアポロン・ファミリア、意図的に県下を吹っかけてきて、うざいが何の目的かと思ってたらベル目的かあ、相変わらず神にもてるね、君。
　ロキ、フレイヤ、災厄の討伐失敗を見てそれを後期とばかりに当時都市最大勢力だったゼウスのファミリアを追っ払うとは、性格悪いのお。まあ、ヘルメス視点での語りだから、ロキたちにもそれなりの言い分もあるのだろうけど。
　神に手を下せるのは神のみ。神々は致命傷与えられると『神の力』の使用とみなされて、天界に強制送還される。そういう直接敵対するファミリアの神をつれてきて、傷を与え天界へ創刊させるという裏技的な手もあるのか。
　勝ったらベルを貰うという条件の戦争遊戯（ウォーゲーム）の申し出をして、それを断られたアポロンは、ファミリアを動員して街中で公然とベルを捕まえようと仕掛けてきて、多勢に無勢でずっとは逃げ切れないから、しかたなく、ヘスティアはその条件で戦争遊戯をこちら側からはじめざるを得なくなる。
　ソーマの無関心さは何でかと思ったら、彼にとっちゃ単に美味しい酒を与えていただけなのにそれにおぼれるものがあまりにも多いからファミリア、子供たちに失望して、ファミリアに無関心になったという経緯があったのね。
　ソーマ・ファミリア、金でアポロン・ファミリアに協力していたが、リリが投降するのと引き換えに撤収も彼女はとらわれの身に。そんなリリを助け出すために友好ギルドの面々が、奴らとドンパチして、彼女を助け出す。
　リリは酒を飲んで、意志を貫き、なお改宗を願ったため、ソーマは目を開き、彼が失望した子の中にこういう奴もいることを発見し、驚き、彼女の願いを聞き入れた。そしてリリを見て、彼も人間をあまりに早く見限ったことが誤りだったと思いなおすきっかけになったようだから、その後彼のファミリアの状況も、薬中めいた人間がたむろする退廃的な雰囲気が少しずつ改善していくようだ。
　戦争遊戯、戦いの形式がファミリアの全メンバー参加しての城での攻防戦になり、人数的に圧倒的に不利だったがリリ、ヴェルフがヘスティア・ファミリアに加入し、借りを返せていないからと命もファミリアを一時的（といっても再改宗まで一年かかるようだが）にヘスティア・ファミリアへと入ることになる。また、人数少ないのを考慮して都市外のファミリアから一人助っ人を加えることが出来るようになったが、その枠でリューさんが加わり、彼女とは前回から引き続きの共闘となる。
　そしてベルは戦争遊戯へ向けて、少しでも戦力を高めるためにアイズと特訓。ダンジョンのほうが、経験血ためるのに効率よさ層なのに何故ダンジョンに潜らないのだろうかと思ったが、戦争遊戯線のために対人戦の訓練がしたかったからか、なるほどね。確かにベルは対人戦の経験が豊富と言うわけではないからな。
　戦争遊戯、圧倒的人数的に不利な中でリューの力やヴェルフの魔剣の力、そしてリリが敵地へ相手のメンバーに移り変わって潜入して敵を混乱させたこと、ベルと敵の総大将相手に一対一に持ち込み、ベルは特訓の成果もあって格上の相手に何とか勝利をおさめた。
　アポロン、負けることないだろうとたかをくくっていたこともあり「要求は何でも呑む」と約束していたため、ヘスティアは彼のファミリア解散させ、全財産没収、都市追放と全部盛った要求をかまして、アポロン・ファミリア終焉。今回、さんざんつっかかってきて、ベルやヘスティアに散々迷惑かけられ、振り回されていたので、そのオチにはすっきり。
　アポロン・ファミリアに本拠（ホーム）をぶっ壊されたため、旧アポロン・ファミリアの本拠を新たな本拠として、また財産もあるため資金もホームも大きくレベルアップして、その新たなホームで新たにファミリアに加わったメンバーといるシーンがが書かれるエピローグ、次の段階に進んだということを感じさせてくれていいね。