魔法科高校の劣等生 15

内容(「BOOK」データベースより)

二〇九六年、九月下旬。四葉家当主・四葉真夜による「横浜から逃亡した周公瑾の捕縛に関する協力依頼」を受けた司波兄妹は、京都で九島光宣と出会う。その光宣と共に周の捜索を行うも、手がかりは未だ掴めなかった。そんな折、七草家のボディガード・名倉の訃報が達也たちのもとへ届く。弔い合戦として、周捜索に真由美も参戦、事態は動き出す。ついに周の潜伏先を突き止めた達也は、とある過去の強敵へと連絡を取り―。『クリムゾン・プリンス』一条将輝、『四葉の最終兵器』司波達也が共闘!緊迫の古都内乱編、完結!

 47-8ページの真夜と葉山の会話を見るに、達也排斥するのは四葉のためにならないといっているけど、実際は肉親の情故に、他のやつらが排斥できないようにしているっぽい。それを見て、おや真夜は案外達也に好意的なのだなとちょっと意外感を持った。まあ、達也と真夜は、魔法で精神的な部分を一部そぎ取られたという意味では、境遇的に似ている点もあるしそうした同情的気持ちもあるのかもと一瞬思ったけど、達也をそうした首謀者はこいつだったんだよなあ。
 ほのか、荒っぽいことが起きることを予期して、足手まといになるといけないから達也たちと同行しなかった。雫が行っているように『ほのか、いい女だね』(P67)。ほのか株上がった。まあ、そうほのかが自重している裏で、酔っ払った会長が積極的アプローチをしているわけだが(笑)。
 達也、このときのために作ってエリカに貸し与えた暗器的(街中で堂々と武装するわけには行かんので)な武装一体型CAD。特別新技術とかが用いられているわけではないが、達也の技術者的な活躍をちらりとでも見れるのはそれだけでも嬉しい。
 エリカや幹比古、レオが戦闘している場面に、同じく事前に視察に来ていた一条が遭遇し共闘することに。その後、達也らと情報共有し、行動を共にして、最終決戦でも達也が戦力としてわざわざ呼び出す。こうした思わぬメンバーとの共闘は、なんだかいいね。まあ、表紙でわかっていたといえばわかっていたけれども。
 今回は特にそうだが、わりと達也は人を巻き込んで手伝わせるということが多いな。まあ、それでもそれなり以上にやる気がある人間を情報の出し方などによって、そうしたものに引き込んでいるので、言葉尻を捕まえるなどして無理に協力させているのではないから、不快感がない。
 エリカたちも驚いているが、一条に随分あっさりと特務士官であることをばらしたな。一条を協力させるためもあるだろうが、そうやって明かさないと納得しなそうで、それに労力使うのも、それがもとで彼と敵対的になるのも得策でないし、そうやることで時間を食って仲間たちの空気が悪くなるのを嫌ったというのもあるかな。
 一条の他に、真由美も合流。しかし酒飲んでいるとはいえ、達也をからかっているのか誘っているのかという言動、行動をしているのを見るに、彼女の達也に対する好感度は想像以上に高いのね。
 達也、魔法を使って拷問することに長けていて笑った。
 達也、黒羽の姉弟に『俺は少し戦力を調達してくる。』(P271)といって、一条に電話をかけているのはちょっと笑った。
 九島光宣、「エイドスを視る彼の目」(P294)傍点が打ってあるから、特別な目なんだろうけど、どんな能力。達也と同じ? 細かい設定覚えていないから、それだけではなんとも分からん。
 周公瑾、一応殺したけど地の分を見る限り不死っぽいし、不死鳥がごとく再誕して再び達也らの前に姿を見せそうだなあ。
 広告の次巻予告。『そしてその夜、真夜の口から/「深雪はあなたの妹ではない」という衝撃的な「嘘」が達也に告げられる。』果たして本当に嘘なのかねえ。彼らが実は兄妹でなく、深雪エンドとなることを予想(半ば願望だが)していたから予想外ではないが、そこらへんの詳しい出生明かされるのは楽しみ。やっぱり真夜と九島の子供だったりするのかい、達也。以前そう思っていたが、違うっぽいと思い直していたけど、兄妹でないかもという可能性がでてきたとたん「やっぱり」とかいっちゃう(笑)。