本好きの下剋上 第四部貴族院の図書委員6

 ネタバレあり。
 ローゼマインにとって二年目となる貴族院の授業が始まる。フラウレルムが一発合格させまいとしての昔の講義内容を試験として出すという嫌がらせをしたが、エーレンフェストでは以前の授業も勉強の範囲に入れていたので無事その試験も一発で終える。
 ローゼマインは、ルーフェン先生の授業でシュタープを武器防具に変える時に見なれた神具の形にしたり、試験で盾で防御する際にフェルディナンドからもらったお守りが作用したり、見なれない水鉄砲という武器を作るなど色々と目立つ。水鉄砲はこの時点では単なる玩具の威力しか出なかったが、授業後に矢のイメージで魔力を撃ちだすと実際に矢となって武器としても使えるようになった。
 ローデリヒがローゼマインに仕えたいという思いを切々と述べたことで、それを聞いたローゼマインは『名を受けてほしいと願うローデリヒは、側近として召し上げていなくても、とっくにわたしの臣下だった。』(P130)と感じて、今まで名を受けることを躊躇していたが名を受けることを決心する。
 今年も早々に授業を片付けて図書館に行くと、誰もいないと思って図書館に来た第三王子ヒルデブラントと会う。
 エーレンフェストの寮監ヒルシュールがアーレンスバッハの学生で中級文官見習いのライムントを弟子にしていると知って、ピリつくローゼマインの側近たち。彼自身はヒルシュールと同じく学者肌で政局には興味もない人間であるようだが、ヒルシュールや彼を通じてアーレンスバッハに情報が漏れることを恐れる。そのため領地に早速そのことを報告して返事を待つ。するとフェルディナンドが自身の作成した魔術具の処分のことでヒルシュールに会いに行くという名目で貴族院に来る。ライムントはフェルディナンドに教わりたいと思っているため、フェルディナンドは彼を弟子にして逆に彼から情報を得ることにしたようだ。
 図書館でシュバルツとヴァイスの着替えをしていると、再びヒルデブランド王子が図書館にやってくる。その時の会話の結果、ヒルデブランドもシュヴァルツとヴァイスの供給の協力者として登録することになる。そして図書館でのお茶会に王子も招待することになった。
 ターニスベファレンという特殊な魔獣がエーレンフェストの採集場所に出現して、エーレンフェストの学生たちでその魔獣を打倒する。ローゼマインが戦いの後に荒れた採集場所に癒しを与えると、採集場所の魔法陣が思いがけず作動して完全に元通りに再生完了。
 図書館でのお茶会ではローゼマインが興奮しすぎで倒れて、そしてローゼマインは今年も早々に領地に帰還する。
 エピローグでは今年も貴族院で色々なことが起きたので、それに頭を痛めるエーレンフェストのローゼマインの保護者組の話が書かれているのがいいね。