アンダーグラウンド

アンダーグラウンド (講談社文庫)

アンダーグラウンド (講談社文庫)

出版社/著者からの内容紹介
村上春樹が追う、地下鉄サリン事件
迫真のノンフィクション、書き下ろし。

1995年3月20日、晴れ上がった初春の朝。まだ風は冷たく、道を行く人々はコートを着ている。昨日は日曜日、明日は春分の日でおやすみ──連休の谷間だ。あるいはあなたは「できたら今日くらいは休みたかったな」と考えているかもしれない。でも残念ながら休みはとれなかった。
あなたはいつもの時間に目を覚まし、洋服を着て駅に向かう。それは何の変哲もない朝だった。見分けのつかない、人生の中の一日だ……。
変装した五人の男たちが、グラインダーで尖らせた傘の先を、奇妙な液体の入ったビニールパックに突き立てるまでは……。

750ページほどの量があるとさすがにいっぺんに読むということはできないので、少しずつ読んでいったので読み終えるまでに1ヶ月ほどかかってしまった。文庫で2段組なのは珍しい、読みづらそうと思ったけど、1人のインタビューの分量が10ページ程度だったからか読みづらくは感じなかった。
『インタビュイーの個人的な背景の取材に多くの時間と部分を割い』(P27)ているので、群像劇みたいで面白いと読み進めていったけど、最後の『和田吉良・早苗』さん『和田嘉子』さんというサリン事件で死亡した和田栄二さんの遺族のインタビューでは、それまでは軽症ですんだだったりなんとか一命をとりとめた人のインタビューだったから、本当にその事件で死んだ人の物語を語られることにすごい衝撃を受けた。
忘れないうちに、オウム側のインタビューをした『約束された場所で―underground 2』も読まなくちゃな。