理想のヒモ生活 1

理想のヒモ生活 1 (ヒーロー文庫)

理想のヒモ生活 1 (ヒーロー文庫)

内容紹介
小説家になろう」No.1作品が満を持して書籍化。書籍用に大幅改稿、書籍でしか読めない新章もプラス! さぁ、あなたも会社の奴隷から爆乳王女のヒモへ!?

山井善治郎は、現代日本を生きる若きサラリーマン。 ある日の朝。善治郎は突然、恐竜が闊歩する亜熱帯の異世界――カープァ王国に召喚されてしまう。召喚したのは、カープァ王国女王、アウラ一世。善治郎を召喚した女王アウラは、善治郎に「自分と結婚して、こちらの世界で暮らして欲しい」と申し出る。理由は、善治郎が『百五十年前、異世界に愛の逃避行を計ったカープァ王族の末裔』だから。国内の貴族にも、王家の血を引く婚約者候補はいるのだが、彼等を婿に迎えれば、『男尊女卑』の毛色が強いカープァ王国では、女王と王配の間で権力闘争が起きる可能性が高い。 そのため、善治郎に求められることは「できるだけ、何もやらないこと」。その条件は、月平均百五十時間残業の日常に疲れきっていた善治郎には、非常に魅力的な申し出に聞こえた。しかも、アウラは善治郎の好みのタイプそのものの美女。半ば衝動的に結婚の申し出を受諾する善治郎。仕事もせず、爆乳美女と楽しく暮らす「理想のヒモ生活」がいざ始まる!?

 Web版で既に読んでいて、イラストはアウラの肌色が土っぽく顔色が悪いよう(不健康そう)に見える色で、艶っぽさが感じられず魅力に欠けたため購入する予定はなかったのだが、近くの本屋で置いてあったので、購入。新しい文庫で、正直わざわざ近所の本屋で購入できると思わず(失礼ながら、ろくに取り扱われる書店がない泡沫文庫だと思っていた)、もし買うならamazonで購入するようになるだろうと思っていたので買う予定ではなかった(毎巻amazonで買うのは面倒なので)が、近所の本屋で棚面陳になっていたので、まあ、しばらくはまるっきり入荷しなくなるということも(たぶん)ないだろうと推測して購入(それに良く見たら、イラストは「狼と香辛料」の人のようだから、この文庫レーベルがそこそこ力入れているのだろうというのがわかるし)。
 それと、付録として、巻末に侍女の3人組の話が書き下ろされてある。ということが、店頭でパラパラとめくってみてわかったので、それも購入した大きな理由の一つかな。ただ、あとがきがないライトノベルも珍しいな。
 イラストは、オクタビア(人妻)はいいけど、主役の2人が個人的にあまり好みではないのがな、でもアウラは結婚式の衣装のは良かったと感じたから、衣装が妙に娼婦っぽい感じがして個人的に好みでないのかなあ?あと善治郎は妙にかわいらしいイラストが多いのにどうも違和感を覚えてしまってなあ。このイラストに慣れるまで時間がかかりそうだなあ。
 善治郎のマナーを論評しているのは、文化が変わればというやつだから、文化が違う(というか異世界)の人がどの程度の階級に位置しているかの尺度にはならんと思うが。たとえば、食器を使わない文化なら貴族でも、食器での食事は、当然使う側の教養ある人間からすれば、たどたどしくてとても見れたものでないだろうから、そうした尺度としての使用は不適切に思える。
 日本での善治郎の仕事シーンが結構増量されているのはちょっと嬉しいわ。そして転移直前の親族(両親が既に没していて、その後世話になった叔父の家)との対話が新たに追加。
 あと、今ふと思いついたことだが、初めに転移させられたときが土曜日で本当に良かったねw、そうじゃなきゃ丸一日拘束って無断欠勤になっただろうから。
 異世界にいくのに、電化製品を補助輪代わりとして考えているが、後戻りできないから、もう了承の返事をして日本に帰ってきたから、後戻りできずに虚勢を張っているように見えるなあw。と思っていたが、それでも異世界にいくこと(それと仕事をしなくていいこと)を魅力的に感じているのは、ものすごいポジティブなのか、刹那主義的なのかw。まあ、『一目惚れ』(P104)なんじゃ仕方ないか。それなら、善治郎が本当にまったく何もしなくてよいという可能性は低いと踏んでいたのに、わざわざ来た理由についても納得できるし。というか、それで納得しなくちゃ、理由がまるでわからんことに。
 侍女たち、半袖・ミニスカートって、蚊とかに刺されて大変そうに思えるが、平気なんかな?いや、その気温では蚊に刺されるのと暑さを我慢するのはどちらがましなのかよくわからんが。
 顔を覚えるの、『一度に十三人は流石に無理だ。』(P132)といっているが、侍女長1各部門責任者4侍女9の14人になるはずだから、誤植か?
 異世界で召喚がミスって別の場所に出たときに備えて(実際はミスしたら発動しないだけのようだが)、ビーズとビー玉を持ってきたことを『内心善治郎は、異世界の人間を『未開地の原住民』扱いしている気がして、あまり良い気分はしなかった。』(P143)とあるけど、その言い方だと、未開地の原住民相手なら、そうした対応を妥当に思っているように聞こえるぞ。
 あと、電子レンジくらい持ち込んでおこうぜ、食事のとき温められるのはかなり便利だと思うがなあ。いや、ひょっとすると、善治郎はあまり食事を重視しない性質とかだということで、持ち込まなかったのかもしれないけど。
 王宮内では、15分刻みで時間を計るくらいの、時間に対する精度があるということだが、一日を96個に分割できると考えると結構すごいよね。スケジュールを決めるためだけなら、それ以上精密なものの必要性はあまりなさそうだしね。
 善治郎の先祖、web版で読んだときも思っていたが幕末の日本に転移(駆け落ち)してそこで生涯を終えたって、当時のことを考えるとハードにも程があるw。しかも『言葉が通じない』という概念がない人間が、『言葉の通じない』世界へといったのだから、より一層ハードだ。なんか、ご先祖に哀れみのような感情が湧いてきたw。