デュラララ!! 外伝!?

内容(「BOOK」データベースより)

“私の心は鍋模様”セルティと新羅の家に集い、なぜか鍋をつつくことになった帝人&杏里、静雄や門田たち。鍋をかこみいつしか始まるそれぞれの過去話で、明らかになっていくそれぞれの出会いやエピソード。その時、臨也は一体―!?“デュフフフ!!”沼袋からやってきた偽静雄に、池袋はちょっとだけ大混乱に…?“成人式は突然に”臨也や静雄に加え、新羅や門田が迎える成人式の行方は―!?“世界の中心で、愛を避ける”池袋に現れた夢魔のおかげで、それぞれの妄想と現実が交差することに…。果たして帝人や遊馬崎たちの願望とは!?その他にも書き下ろしやレア掌編、公式海賊本に掲載された短編などを収録!!


 短編集。プロローグと章間とエピローグの一連のセルティと新羅の話は書き下ろしだが、その他の短編は以前にさまざまな場所で掲載されていた短編を収録したものということだったので、外伝と聞いててっきり無印終結からSHまでの話が読めるのではないかと勝手に期待していたので、そうした話がなかったのはちょっと残念だった。いや、一連の書き下ろしの話は時系列的にはそうした間の期間の話のようだけど、その間のとかについて新たな情報とかもなかったからねえ。
 まあ、ここで書かれなかったということは、今後SHにおいてそこらへんの話が出てくる可能性が高いとポジティブに考えて、そちらでそうした期間の帝人たちの話が今後書かれることに期待をしよう。
 そしてあとがきにパロディ企画の本が初出の短編も多いと書いてあるように、全体的にコミカルで軽くて読みやすかった。そしてパロディやメタネタがでてくる話が多い関係上、今回は遊馬崎と狩沢が出てくる話が多い。
 「外伝1『私の心は鍋模様』」過去話、本編開始以前から友人・知人関係のはじまりの話だったり、ちょっとした友人とのエピソードなど鍋を囲みながら様々な思い出話をしたり、回顧したりする話。
 以前本編でも、この鍋の模様は少し描写されていたと思うが、それはその以前にこの短編で書かれていた場面からつながっていて、読んだ人にはあの短編のつづきからはじまるのかとニヤリとさせるような場面だったのか、なるほどね。
 「外伝2『デュフフフ』」静雄と間違われて、静雄の存在を知り、池袋でちょっといい目を見ようとしたチンピラが痛い目に合う話だが、最初は痛い目合うのが分かっているから読んでいて見てらんない気分になっていたが、痛い目にあった後も、門田やセルティなど別の池袋の有名人になりすましてカツアゲしようとしたりと全く懲りていないのを見ると、そうした哀れなと思う気持ちも消えて、単純に笑えるようになった(笑)。
 「外伝6『デュラララ!!√20 成人式は突然に」新羅と臨也と静雄の成人式の話。新羅が成人になったし、彼らも大人になっただろうからと同じ待ち合わせ場所に二人を呼ぶという恐ろしいことをしてのけた話。
 「外伝8『デュラんぷ!! 世界の中心で、愛を避ける』」著者の別のシリーズ作品である「ヴぁんぷ!」とのコラボ短編、そちらは読んだことがなかったが楽しめた。池袋にやってきた夢魔が、池袋の住民に驚いたり、遊馬崎がその夢魔という存在だったり、その姿に大興奮したりといった話。すごく遊馬崎がいきいきしてる話(笑)。
 「エピローグ、あるいは外伝9『祭り妖』」セルティと新羅が祭りを楽しむほのぼのした話でいいな。