ゴブリンスレイヤー 5


 ネタばれあり。
 冒頭では新人パーティーがゴブリン退治の依頼を受けた新人パーティーが描かれるが、このシリーズでゴブリンスレイヤー以外の対ゴブリン戦が書かれるとちょっと嫌な予感がしたが、やっぱりそうなるよね。
 剣の乙女からの手紙で家から飛び出て冒険者になったばかりの令嬢剣士(冒頭に少し描写された新人パーティーの人物)がゴブリン退治の依頼で行方不明になったので両親から捜索依頼が出されている。今回のゴブリンスレイヤーは剣の乙女からの手紙でその依頼を知り、頼まれたので、その冒険をすることになる。今回季節は冬ということで雪が積もる寒い中での冒険となる。
 鏃を緩く固定して、その傷口からの感染症で万一ゴブリンたちを逃がしても倒すことを狙う。どこかで聞いたことあるが思い出せずぐぐったら武田か。
 女神官、冒険者となって一年。もうそんな作中時間が経過したか。
 ゴブリンスレイヤー一行の雪中行軍。鉱人道士の、雪の下のさらに下に枯れ枝があるという豆知識。ゴブリンスレイヤーが小休止中に普段はずさぬ装具を外して手足を解す。そうした季節ならではの知識が披露されるのも面白い。
 敵の拠点を撃破したものの、そこは敵の居住区がなかった。そしてそこで見つけた印により、敵首魁に小鬼聖騎士がいることが判明する。捜索の目的であった令嬢剣士が、唯一救出できた。彼女は敵の本拠地を攻略するのに自分も連れて行ってくれと頼み、ゴブリンスレイヤーは了承する。
 しかし令嬢剣士が『……報酬、前払い』と髪を切ったのは、どんな意味が。その位本気だという決意を表しているのはわかるが、「報酬」は一時でも救出したあるいは遺品として確かに見つけたとわかる証拠ということかな? ちょっとよくわからない。
 復讐者として決意を固めた彼女に、自分に似たものを感じたのかゴブリンスレイヤーは同行を了承する。
 ゴブリンスレイヤーらは闇の陣営のふりをして、ゴブリン達が根城としている昔の古城に行く。その時女性陣は捕虜役をすることになる。寒そうにしている彼女らにゴブリンスレイヤーは呼気の術が封じている指輪を渡しているが、雪中行軍中にそれを渡さなかった理由はなんだろう。常に使えるなら渡しておきそうだし、術は使い捨てとか、一日に時間制限があるとかなのかな? 以前に指輪に封じられた魔法についての説明あったかもしれないけど覚えていないや。
 令嬢剣士は仲間を殺され囚われていた状態から解放されて時間がたっていないから、激してしまい、計画通りには進まない。城の中でひと暴れして激昂させた後に撤退して、退きながらの戦いとなる。そこでのゴブリンスレイヤーの次々と武器を取り替えながらの戦い、格好よくて好き。
 ラスト、小鬼聖騎士が金属精錬をしようとしていたと聞いて顔を青ざめさせる女神官。そうしたものがゴブリン社会に根付いてより一層の脅威となることを予感させる不吉なもの。