理想のヒモ生活 12

 ネタバレあり。
 今回北大陸に到着したということで、北大陸の国や技術などについての新しい情報が色々と書かれる。そしてヤン司祭やアンナ王女といった今後も出てきそうなキャラが初登場。
 フレア姫や善治郎たちはワレンティア港を出港して40日以上が経ったところで見つけた無人島に上陸して休息を取る。その時にデジタルカメラで特徴的な地形の写真をとった後、善次郎はカープァ王国に瞬間移動の魔法で一時帰国して補給物資を持って戻ってくる。そして持ち帰って来た酒を皆喜びその日は酒宴となる。そのように瞬間移動の魔法を活用しているのがいいね。その無人島を出て43日で北大陸のズヴォルタ・ヴォルノシチ貴族共和国のポモージエ港に一時停泊。長い船旅を経て北大陸に到着した。
 この街で善治郎は一旦部下たちに小遣い銭と自由時間を与える。侍女マルグレーテは外出中に孤児の少年ヤンにヤン司祭に直接会って伝えるべき重大事があるからそれを伝えてほしいと頼まれる。食べるものにも事欠く者がわざわざ遠方から来るということはよほどのことだろうという判断もあり、それをポモージエ領主の非公式の歓迎会でヤン司祭に伝える。それと同時に何も聞かず仲介をすると後日別のところに文句を言われる可能性も考慮して話の内容を把握しておいた方が良いと考え、その話を伝える場に善治郎は同席する。
 孤児ヤンが騎士団がポモージエを攻めてくるとの情報をもたらす。そしてフレア姫らは出航の準備が整い次第出航しようとしていたが、長い航海を終えた後の一時金給付休暇ということもあって船員が全員集まらなかったので、結局出立前に防衛のためにポモージエ港が封鎖されることになって足止めを食らうこととなる。
 中央から天馬に乗ったズヴォルタ・ヴォルノシチ貴族共和国のアンナ王女がポモージエに来る。そしてアンナ王女は押しが強く、足止め食らっているフレア姫や善治郎の存在を利用する。
 傭兵ヤンが一時的にアンナ王女と契約して、今回の侵攻に対応する。そして傭兵ヤン率いる傭兵隊は町の外で騎士団と戦って勝利し、戦勝パーティーが終わった後、黄金の木の葉号はいよいよポモージエ出航をしてフレア姫の故国ウップサーラ王国へ向かう。
 巻末の「主と侍女の間接交流」侍女ドロレスがポモージエで一時金付きで自由時間を与えられた時に店や町を見て回った話。そうした店や町を見て回る描写好きなので良かった。